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永瀬清子詩集

長瀬清子詩集

著者: 永瀬清子・谷川俊太郎/作

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心配する生き物、それは母
永瀬清子は岡山県出身の詩人である、という事は知ってはいたが、作品を読んだことはなかった。
そもそも私は「詩」が苦手だ。
作者のこころの内をこっそりのぞき込んでいるようで、秘密の日記を読んでいるようで、ソワソワしてしまう。
それでもこの詩集を読んでみたきっかけは、母に勧められたからなのだが、理由はこうだ。
「永瀬清子はあんたと同じ誕生日よ。読んでみたら?」
母は決して占いの類を信じるような人ではないが、誕生日が同じという点において、何か感じるものがあったらしい。
母の助言に従って開いたこの本の中で、「母の心配」という詩が目に留まった。私も母であり、今まさに息子が心配の種であるため、読んでみると共感ハンパない。
待てよ、私の母は息子を心配する私を心配して敢えてこの本を読ませたのか?
母を鬱陶しく思っている息子よ、母ってこんなもの。
いつもいつまでも子どもの事を心配して生きている。
(北房図書館・はにわ)

ドミトリーともきんす

ドミトリーともきんす

著者: 高野文子/作

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科学と私
著者の高野文子さんは手塚治虫文化賞マンガ大賞も受賞したこともある著名な漫画家さんなのであるが、マンガコーナーにあるからといって気軽にこの本を手に取って、読み始めた私はちょっと頭が混乱したのである。
本の語り手のとも子さんが娘のきん子ちゃんと暮らしながら、寮母をつとめる学生寮「ドミトリーともきんす」での寮生たちとの日常が描かれているのだが、その寮生たちが偉大な科学者たち、物理学者の朝永振一郎さん、朝ドラで身近になった植物学者の牧野富太郎さん、ノーベル賞受賞の物理学者湯川秀樹さんらなのである。もしや、○○学的な本なのかしらん?と、なるとなんだか頭が痛くなって、本を閉じてしまいそうになる。しかし、そこは高野さんのやさしくて、でも淡々として、ちょっと不思議なような漫画に助けられ、読み進んでみよう。ふむふむ。
難しくない言葉で書かれたセリフをゆっくりと考えながら読み進めていくと、科学者たちの人となりと研究対象と伝えたいことがなんとなくわかるような気になってくるのである。「わかってきたような気がする」それだけで科学との距離が少し縮まった気がして、勝手にうれしくなるのである。
(落合図書館・ジジ)

田んぼや水辺でみられる植物の芽生えハンドブック

田んぼや水辺でみられる植物の芽生えハンドブック

著者: 浅井元朗・西廣潤/作

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2024年上半期(個人的に)一番役に立った本
我が家の田んぼに今年とくに蔓延っている雑草。対処したいんだけど、あれって何かなあ?

と、家族に聞かれたのが始まり。
とりあえず特徴を聞き、その場でネットで調べてみたところ「オモダカ科」のどれかであることは間違いなさそうだ。
しかしこのオモダカ、思ったより種類がある。しかもスマホの画面越しに見た写真だとどれもよく似ている。
せっかくなら特定して一番効く手段を講じたいのだが、ネットで調べて出てくるのは成長したあとの写真ばかりで、芽生えたばかりの今の状態と見比べてもイマイチ決め手に欠ける……。

そこで頼りになるのはやっぱり図書館!
蒜山図書館にも、今回の需要にドンピシャなこんな本があった。
芽生えたところから成長段階に合わせた写真と詳しい説明文が載っている。まさにこれが知りたかった。
ハンドブックなので楽に持ち運べるのも嬉しい。

さてさて、我が家の田んぼに生えている雑草は……
もっともノーマルな「オモダカ」である。という結論で全員一致した。
(蒜山図書館・888)

伴走者は落ち着けない―精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち―(叢書クロニック)

伴走者は落ち着けない

著者: インベカヲリ★/作

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精神科医斎藤学は…神?
巻頭、四半世紀痴漢を繰り返し4回逮捕された元患者の話から始まります。
いやいや逮捕されたら止めましょうよ、と思いますが止められないのが依存症なのでしょう。
全国から患者が集まり、治っても10年20年と通い続けるカリスマ精神科医斎藤学。摂食障害・窃盗罪・性倒錯・買物依存症・引きこもり等、主に依存症にかかわる症状をどのように治療するのか?著者は斎藤学の本の愛読者で、この本を執筆するため斎藤学本人はもちろん患者にもインタビューしています。わかりやすい言葉で書かれているので医学的知識の全くない私にも読みやすく、患者の方の症状も想像しやすいのです。
さて、治療の内容についてはあまりにも深すぎて私がご紹介するなんてことは到底無理なので実際に読んでお確かめください。私は、様々な症状は病気ではなく、人間関係の問題だという文が印象に残りました。本人が全く気付いていないであろう本当の問題を突いていく先生は本当に…神?と思ってしまいます。
(久世図書館・N)

動物たちの惑星

動物たちの惑星

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待ち合わせ場所
図書館は、ときには子供たちの待ち合わせ場所になります。
しかし6月の終わりのある日、友達はなかなかやってきません。

手持ち無沙汰にしている小学生の女の子に
「壁の飾りつけやらない?」
とお手伝いを提案したら、
「やるやる!」
とうれしい返事が返ってきました。
彦星や織姫、天の川を手に持って、ここに貼るのはどうかな、こうしたほうがいい、とあれこれ言いながら壁にペタペタと貼り付けます。あっという間に7月の壁面飾りが完成しました。次は何をしようか、という雰囲気の中、
「これなんだろ」
と女の子が持ってきた本がこの『動物たちの惑星』です。海を泳ぐ象の表紙が印象的な、野生動物の写真集です。
「象って泳ぐんだね」
「なんの動物かな?いっぱいいる」
「シロクマって、なんでシロクマなんだろう。白いから?」
「えー!このパンダ見て!」
なんて言いながらページをめくる女の子と、側で覗き込む司書。わいわい言いながら眺めるのは、一人で見るのとは違う楽しさがあります。
そうしていると、友達がやってきました。
「いってきまーす」
「いってらっしゃい」
(美甘図書館・かも)

家が好きな人

家が好きな人

著者: 井田千秋/作

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私の好きな場所
私は家が好きである。
外に出るのが嫌いなわけではないが、どちらかというと家でゆっくりしているのが好きなタイプの人間だ。そんな私も社会人となり、最初のターニングポイント「一人暮らし」がやってきた!自分だけの家!どんな家にしようか興奮を隠しきれない!しかし引っ越して数日、私にレイアウトセンスが無かったばかりに、実家の部屋を丸写ししたような、面白みにかける家がそこにあった。崩れ落ちる理想のお家像。こんなはずでは……。

そんな私が、タイトルを一目見て図書館で手に取った本書。後日、改めて書店で購入したほどに気に入っていてしまった。
オールカラーのコミックイラスト集で、5人の登場人物がそれぞれの家で過ごす日常が描かれている。どの家も住人の「好き」が溢れる空間になっており、カラフルな食器や電灯代わりのランタンなど、細部まで書き込まれたイラストは隅々まで見ていても飽きない。こだわりのインテリアが詰め込まれている空間は、ごちゃごちゃしているようで調和していて、まるで1つの作品を見ているかのよう。
まさに、私が目指す理想のお家像なのである。
ちなみに、各章の見出しは「○軒目○○さん宅」となっており、作者の細かなこだわりが見える。私の密かな好きポイントである。(こういうのに弱い)
「家が好きな人」には、ぜひおすすめしたい1冊。

ちなみに現在の私の家はというと、たくさんのものに囲まれ、少々にぎやかな毎日を過ごしている。友達との思い出の品も増えてきた。
なかなか本書に登場するような部屋にはならないが、いつかを夢見て、今日も部屋の片づけを始めるのだ。
(湯原図書館・ノサミ)

5分後に最凶のラスト

5分後に最凶のラスト

著者: エブリスタ/作

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人の考えが一番こわい。
「5分シリーズ」って知っていますか?
「5分シリーズ」とは、1話が5分で読める短編小説集です。(例えば、『5分後に驚愕のどんでん返し』、『5分後に戦慄のラスト』、『5分後に後味の悪いラスト』、『5分後に超ハッピーエンド』などがあります。)そのシリーズによってはどんでん返しが待っていたり、怖かったり、後味が悪いなと思ったりするようなお話が結構あります。

このシリーズには、学生のころからお世話になっておりまして、よく学校の図書室にて借りて読んでいました。私がこの「5分シリーズ」を読んだのは、表紙がきっかけで「5分シリーズ」の表紙の現実離れしているような不思議なイラストに惹かれて読み始めました。しかも、1話が5分で読めるので、朝の読書、授業の合間の休憩時間に読んでも、1話ごとが途中になることがなく、お話の内容も面白いので、読んでいて飽きないなと思っていました。(現在でも飽きずに読んでおります!)

今回の「5分後に最凶のラスト」は、「5分シリーズ」の中でも、サイコホラーを集めたものとなっており、ゾッとして、背筋が凍ってしまうようなお話しがたくさん書かれています。(世にも奇妙な物語や本当にあった怖い話のような感じ…)
こんな怖い話を思いつく人の考えが一番怖いってことか…

「5分でも大丈夫。短い時間でも、人生変わっちゃうぐらい心を動かすそんなチカラが小説にはある。」(Web河出「エブリスタ×河出書房新社」より)

この情報だらけの現代、「5分」だけ小説の世界に入ってみませんか。あなたの考え方や価値観が変わるかもしれませんよ…

 今年から図書館で働き始めました!まだまだ生まれたてのひよこなので、よろしくお願いいたします!
(中央図書館・通りすがりのCREW)

DOORS

DOORS 世界のドアをめぐる旅

著者: ボブ・ウィルコックス/作

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これもひとつの旅
出不精だが、旅行雑誌や写真集はたまに見る。どうせ行かないのなら、行けそうもないところの風景が見たい―ということで、選んだのがこの本。タイトル通り、世界各地のドアを収めた写真集だ。
ページをめくる度、形も背景も違うドアが現れる。違う世界につながっているのでは?と想像してしまうような古めかしいもの、一つの作品として見とれてしまうもの、暮らしている(いた)人たちの存在を感じられるもの、実に個性豊かだ。ドアばかりを眺める旅なんてリアルではできない(多分)。
本だからできる、これもひとつの旅だと思う。
(中央図書館・だいず)

猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました

猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました

著者: やーこ/作

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ピンクのヨラコからやーこさんへ。
前回は双子の姉の靴底のはなしをお送りしたヨラコです。
今回はこのようなタイトルの本を目前にして素通りにできなかった私。
早々に読み進めると、著者の身の周りで起きる奇想天外な事態に遭遇した(巻き込まれた)人たちが必死に笑いをこらえる様が著者ならではの独特な感性で記されている。タイトルの“小刻みに震える”とはそういう意味であった。しかし、こんな愉快な日常を送れる著者とはさぞ自身も風変りな人であろうと想像したが読めば読むほどその通りであった。もし私が、やーこさんとご近所さんだったら「今日は何かありましたか?(あったでしょ?)」と声をかけるに違いない。そして小刻みどころではすまないことは必至である。
かくいう私も“小刻みに震えられる”対象になるであろう話を一つ。
社会人となり仕事にも慣れてきたころ、無性にイメチェンがしたくなり美容院へかけこんだ。
「今日はどうなさいますか?」
「長くて重いので明るめにカラーリングをお願いします。でも茶色は明るくなりすぎるので赤のトーンで抑えながら軽い印象で…」
抑えの赤に軽さを求めた結果、数時間後、鏡の前に映ったのはピンク色のピグモンであった。
翌日からピンクの髪をお団子にまとめ、私の頭が何か?という顔で出社した。誰も何も言わなかった。きっと“小刻みに震えていた”に違いない。
実は地元のケーブルテレビでもおすすめ本として紹介したことがあるこの本。二度も紹介するとは何かあるのか?と思われるかもしれないが、何もない。出版社に紹介の可否を確認したとき、著者のやーこさんが大変喜んでくれているとの返事だったことぐらい。さらに放送日等詳細を教えてほしいと言われ放送日時を伝えたがケーブルテレビを見る術がないであろうことが口惜しかった。もし見てもらえたら私に同じ種のにおいを感じていただけたかもしれない。
(中央図書館・ヨラコ)

ランチのアッコちゃん

ランチのアッコちゃん

著者: 柚木麻子/作

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がんばる人のお昼ご飯
ランチがきっかけで変わる人生。
恋人と別れ、傷心の三智子はある日、上司のアッコ女史の提案でお昼ご飯を取り替えっこすることになる。自分の弁当をアッコ女史にわたし、かわりにアッコ女史に決められたお店や場所で、いつもと違うお昼ご飯を食べることに。それがきっかけで、さまざまな人と関わり、考え、前向きになっていく三智子。アッコ女史の人柄もわかっていき、、、
「今日のお昼ご飯は何食べよう」と楽しみになる、そんな元気のでるお話。

10年くらい前、知り合いの女の子が「ママがパパのお弁当5分で作れるわって言ってた」と教えてくれた。
当時、お弁当を作る習慣がなかった私は、そんなわけない!と思ったが、夫のお弁当を作るようになって(たぶん)7年。
わかるわかる。パパ(夫)の弁当は5分でできるよ~。
できる日はなるべく5分より7分、少しだけ時間をかけてお弁当を作って前向きにお仕事頑張ってもらいます。


(中央図書館・あいすろいみ)

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