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ダレン・シャン 奇怪なサーカス

ダレン・シャン 奇怪なサーカス

著者: ダレンシャン/作

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これはぼくが体験した本当のお話
私が人生で初めてハマった長編作品が、こちらの『ダレン・シャンシリーズ』。今でもストーリーを思い出せるくらいに大好きな作品だ。
物語はごく普通の学校生活から始まる。主人公のダレン・シャンは、異形サーカスの公演を見た夜、正体不明のバンパイアと取引をすることになる。それは、トラブルで命の危機に面した親友を救うためだったが、後に世界を巻き込む大きな選択となる。

人間離れしたキャラクターが登場するたびに、頭ではフィクションだと理解しているが、「もしかしてこれは現実に起こっていることなのでは?」 と思わせるその深い世界観に、少女ノサミは心を奪われたのである。また本シリーズでは、登場人物の姿は表紙や挿絵で一切描かれてない。作中で言及される特徴を基に、一人一人の顔を想像しながら物語を読み進めていくのも、楽しみの1つだった。
ちなみに物語は全12巻で構成されている。最初は小学校の図書室で借りて読んでいたが、次第に入荷が待ちきれず、最後の3冊は発売されてすぐに本屋で買ったのを覚えている。
小学生には1回に1,000円を超える出費はなかなか大きな買い物だったが、今でもその3冊は当時の思い出が詰まった大事な宝物だ。
(湯原図書館・ノサミ)

古生物の飼い方

古生物の飼い方

著者: 土屋健/作

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みなさんにも推しの古生物はいますか?
私の推しはやっぱり、カンブリア紀の生物「オパビニア」です。
出会いは高校時代の生物の教科書でした。
なんとなくパラパラとめくっていたら目に飛び込んできた摩訶不思議な造形の生物。
たくさんの目。なぞの触手。この見た目で手のひらに乗る大きさというサイズ感。

世が世なら絶対飼うのに……。
そんなままならない想いを受け止めてくれたのがこの本。古生代の生き物の「飼い方」を真面目に解説しています。
ちなみにオパビニアの飼いやすさは★7。飼育向きですね。
みんな大好きアノマロカリス類はほぼ★2~5みたいですが、飼いやすい種類もいるみたいなので諦めないでくださいね。
(蒜山図書館・888)

アンペルマン 東ドイツ生まれの人気キャラクター

アンペルマン 東ドイツ生まれの人気キャラクター

著者: 高橋徹/作

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街角の歴史
「アンペルマン」って何?子どもたちに大人気の絵本に似たような名前のキャラクターがいた気がするけど…。その程度の気持ちで読んでみました。結論だけ先に言うと、彼は旧東ドイツで使われていた歩行者用信号標識のキャラクターなのです。日本でも知る人ぞ知る存在で、キャラクターグッズもたくさん売り出されています(全然知らなかった!)。この本は、彼の誕生と、東西再統一後に西ドイツの信号に統一されそうになるという絶滅の危機、そしてそこからの復活劇、となかなかにドラマティックな歴史を当時の写真とともに紹介しています。そして、そんな彼らの物語を通じて今では遠い記憶になった〈東ドイツ〉という国のことも描かれているのです。深く考えずに手に取ったものの、思わず話が大きくなった気がして少し戸惑いもしましたが、おしゃれな帽子をかぶり、こちらに話しかけてくるような妙に人間臭いデザインのこのキャラクターが、危機を乗り越えて今でも街角の安全を担っている。そのけなげな物語と、彼を守り通したドイツの人たちの在り様にほっこりしました。本書では、彼以外の信号機キャラクターも紹介されていて、それぞれ時代やら文化やら便宜やらの背景があるのだろうなあと想像しました。図書館の棚にあっても、なかなか手を出そうとは思われない内容とは思いますが、遠い異国の街角の歴史にちょっと思いを馳せてみるのはどうでしょうか。
( 中央図書館・だいず )

銀の匙

銀の匙

著者: 荒川弘/作

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チーズだけど豆腐、豆腐だけどチーズ
私の家では昔から牛を飼っている。
ここ十数年は肉用牛の黒毛和種を育てているが、私が高校生の頃までは乳用牛のジャージー種やホルスタイン種を飼っていた。
記憶にあるのは家庭科の授業で「自分で作った料理を紹介しよう」という宿題が出されたこと。
他の人とは違うものを作りたい偏屈な私である。
その時こちらのマンガに登場するフレッシュチーズを参考に、うちで絞った牛乳でチーズを作ってみようと思い立った。
フレッシュタイプのチーズであれば熟成期間の必要なチーズと違い、比較的短時間でできるし、カッテージチーズなら材料も牛乳とレモン汁のみ。熱して混ぜて固めるだけ。
いざ作って食べてみた。
「美味いけどなんとなく食べたことある味よなぁ」と妹と話すと、すぐに答えが出た。
「ああ、牛乳豆腐じゃろ」と。
分娩後の牛が出す初乳は通常よりも濃厚で栄養価がとても高いが、加熱殺菌処理で固まってしまうおそれがあり出荷できない。
そこでうちでは酢を混ぜて固めた牛乳豆腐を作り、醤油とかつお節をかけて食べていたのである。(酪農家の間では結構メジャーなまかない食らしい)
レモン汁と酢、風味や食感は少し異なるが、知らず知らずのうちにほぼ同じものを作っていたとは…。
現在は牛乳を出荷していないので、カッテージチーズもとい牛乳豆腐を作ることは無くなったが、この作品を読むと当時の少し残念だが美味しかった思い出がよみがえる。
(中央図書館・みーやん)

*8巻に書影がなかったため、書影と詳細情報は9巻を表示しています。フレッシュチーズをつくっているのは8巻(ISBN 978-4-09-124346-1)になります。

2時間ドラマ40年の軌跡

2時間ドラマ40年の軌跡

著者: 大野茂/作

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2時間ドラマと共に
何を隠そう私はなかなかの2時間サスペンスドラマ通(好き)である。
皆さんもご存知であろう図書館でも根強い人気の西村京太郎『十津川警部
シリーズ』を筆頭に、内田康夫の『浅見光彦シリーズ』はもちろん『法医学教室の事件ファイル』や『監察医・室生亜季子』などの医療系もウェルカムである。新聞のラテ欄で『火曜サスペンス劇場』や『土曜ワイド劇場』の
タイトルを見てはちょっとドキドキしていたあの頃。何度も再放送されあらすじも犯人も分かっているのに毎回感情移入する。2時間ドラマの帝王F越A一郎は少し苦手なのだが、その熱い走りは年齢を感じさせない。
そして目にとまったのがこの本である。なるほど、昭和の時代ならではの撮影時の苦労話や豪快伝説、音楽へのこだわり…民放ドラマの三悪人と言われし男たちがいかにB級エンタメを作り上げたのか…そんな業界の裏話が座談会で繰り広げられている。私が単純にすごいと思ったのは、あるプロデューサーがドラマの原作探しのために10年で2000冊の本を読み、43歳で老眼になりながらもいち早くコレだ!という作品を見抜く力を養っていたこと。当時はまだ完結していなかった宮部みゆきの小説『火車』をドラマ化したのもそのうちの一つであったという。
そんな話が詰まったこの本、巻末には「長~いサブタイトルランキング」が
掲載されていてドラマ通をうならせてくれる。

しかしそんな私が今ハマっているのはサスペンスでもミステリでもなく
『暴れん坊将軍』なのである。
(中央図書館・ヨラコ)

子どもが納得!高学年の叱り方・ほめ方

子どもが納得!高学年の叱り方・ほめ方

著者: 中嶋郁雄/作

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難しいのは年頃のせい?
図書館で働いていると、子どもたちと関わることが多い日常。

子育て関係や保育の本はよく読んできた方だと思うが、1番難しいとされる小学校高学年との関わり方の本は読んだことがない。
新着本の棚から、なんとなく手に取ってみたこちらの本。
タイトルのように、叱ったりほめたりしようと思っているわけではないよ、高学年ってどんな感じか知りたいだけだよと思いながら中を見てみると・・・
高学年ってこんなふうに感じる年頃なんだよ、こんなことを気にしはじめたり、こんなことを認めてほしかったりするんだよ、こういった態度は信頼されないよ。ということが先生向けではあるけれど書かれていて、「へ~!勉強になりますなあ!少し知っていると知らないじゃ、子どもたちとの接し方が違ってくるかも」と勉強になった。

だんだん読んでいると気づいたのが、私(アラフォーの年頃)と高学年女子の気持ち一緒じゃね?
人って基本12歳頃から変わらないのか、それは私だけなのか。
内側からにじみでる若さってことでオッケーですか?

(中央図書館・あいすろいみ)

地球の歩き方

地球の歩き方

著者: 地球の歩き方編集室/作

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名は体を表す
私は旅行が大好きで計画を立てるだけでも満足してしまいます。
そんな私が海外に出かける時には必ず購入しているシリーズです。
自宅の書棚にはこれまで渡航先の「地球の歩き方」が並んでいますが、
少しずつ書棚が埋まっていくのを眺めていると少し嬉しくなってしまいます。
他のガイド本は観光スポットやグルメとお土産情報等が大部分を占めているものが多いですが、
このシリーズはその国の文化や歴史等も丁寧に書かれているとこが気に入ってます。
「名は体を表す」ではないですが、この本を片手に地球を歩くことができると信じています。
ただ、私の場合は内容以上に書名が気に入ってます。ジャケ買いではないですが書名買いしてしまいます。
コロナ禍で外出が控えられたこともあり、近頃は国内版も発売されています。
国内外を問わず旅行を計画されている皆さん、旅行の計画をされていない皆さんも是非手に取ってみてください。
(中央図書館 SHITUCYO)

しつもん100

しつもん100

著者: tupera tupera/作

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旅の醍醐味は道中にあり。
娘が小学生の頃、私の実家まで鈍行で11時間かかって帰ったりしていました。
長い道中、車内での定番ひまつぶしは以下の3つ。
①しりとり(いつまでやるんだっていうほどやってた)
②絵しりとり(いつまでやるんだっていうほどやってた)
③窓から見えるものを言うだけのゲーム(同じものを言ってはいけない。外をめちゃくちゃよく観察することにはなる)
光陰矢の如し。娘たちもさっさと大きくなって、一緒に移動することもなくなりました。あのころの車中の不要不急の会話が懐かしい。
旅の醍醐味は道中にあり。
つぶすひまは持ちたいものだと、新幹線ばっかり乗ってる最近の私は思うのでした。

というわけで、この本が当時あったらぜったいこれでひまをつぶしていたに違いないという一冊。
100個のシンプルな問いが書いてあります。
「すきなもの さいしょにたべる? さいごにたべる?」
「ザバーン!!うみからなにがでてきたと思う?」
「あつめているものは なに?」……
順番に問いこたえて、「私はあーだ」「私はこーだ」と話せます。
さすが tuperatupera さん。絵も楽しい。
お盆も近い。
帰省に、旅のおともに、ちょっとした「問い」はいかがですか。

追記:
実は中央図書館のニュースレター『Biblioteca』では、毎月、司書の紹介をこの本の問いをお借りしてやっています。問いの向こうに見える人柄。
バックナンバーぜひご覧くださいませ。
ホームページの一番下の「図書館だより」→「中央図書館」にあります。
全員が共通して答えている問いは「ほかほかごはんになにのせる?」です。
あなたなら何をのせますか?
(中央図書館・KANCHO)

ドーナツを穴だけ残して食べる方法

ドーナツを穴だけ残して食べる方法

著者: 大阪大学ショセキカプロジェクト/作

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図書館員ならどうやって食べるか
10年前この本が出版された時、気になりすぎるタイトルと柔らかくて美味しそうなドーナツの写真に惹かれて手に取りました。
ところが内容は見た目と違って硬そうで、数式も登場している、これはちょっと手に負えそうにないわーと本棚に戻したのでした。
今年に入って、排架(“ハイカ“。図書館では、本を棚に戻すことをこう呼ぶ)のために本棚の前を通るたびに目に入るのです、この本が。
目に飛び込んでくる背表紙の黄色い文字。そんなにアピールされてもなぁ、と思っていたのですが、このたび晴れて?いや、根負けして?読んでみることにしました。
 
すると、おもしろかったのですよ、これが。
「ドーナツを穴だけ残して食べるには?」という学生たちの問いを、大学の工学、応用化学、人類学、経済学、法学、数学など各々の専門分野の先生方が考え、論じていかれるのです。 
たとえば、工学研究科の先生がドーナツを旋盤加工で切ったり削ったりするガチなアプローチを考え、理学研究科数学専攻の先生は、我々が4次元空間の中に住んでいるとして…との論理的トリックを持ち出し、法学の先生は「ドーナツ事件」というドーナツ型クッションに係る商標権侵害訴訟の話から「輪形以外の形状のドーナツを想定する」ことで解決方法を模索し(先生曰く「詭弁を弄」し)たり、応用化学の先生がドーナツのような形をした環状オリゴ糖の話を始めたり。

先生方の使う言葉はだいたいが難解で、何のことやらまるで分からないところもたくさん。でも誰一人「穴だけ残して食べるなんて無理に決まっている」とは言わず、「うちの学問分野だとこう考えられるね」と真剣に、かつ、楽しそうに説明されるので気になりません。
学問って自由なのだ!と、すがすがしい気持ちになりました。

(中央図書館・くろ )

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