Pick up

しんかんせんでいこう 日本列島北から南へ 日本列島南から北へ

しんかんせんでいこう 日本列島北から南へ 日本列島南から北へ

著者: 間瀬 なおかた/作・絵 山崎 友也/監修

詳細情報

3世代で楽しんだ絵本!
私の兄家族が岩手県盛岡市に住んでいるので、母、娘(7歳)、息子(3歳なったばかりのイヤイヤ期真っ只中)、私の4人で新幹線に乗って盛岡市へ行くことに。
岡山から東京までのぞみ約2時間半、東京から盛岡まではやぶさで2時間の諸々の時間合わせ約片道6時間の旅へ。
乗り物の好きな息子は終始テンションが上がり、おしゃべりが止まらず、し~っと言えば反抗してくる、行きから体調不良になった娘は、新幹線から富士山を見ることと駅弁を食べることをすごく楽しみにしていたが、新幹線でずっと寝ていて叶わず、、、。
やんちゃな息子がまわりの人に迷惑がかからないように気を使いながら、体調の悪い娘を心配しながら、母とどうなることやらと新幹線に乗り続けようやく盛岡駅に到着。
娘は年の近いいとこに会えて気分もよくなり元気に遊べて、息子もいとこたちについて遊んでいいこになり、大変だったけど本当につれてきてよかったねと母とほっとした。
兄家族に会うことが目的の旅行なので、観光地には全然行かなかったけど、初めていく東北地方の空気感だったり、小岩井農場の牛乳、盛岡冷麺、大谷翔平選手も愛した福田パンが美味しかったり、宿の温泉が気持ちよかったり、新幹線のこまちとはやぶさが見えたこと、短い時間でぎゅっと楽しむことができた。何より兄家族に会えたことや、子どもたちが喜んで遊んでいる姿が1番!

そして、今回紹介する本。私たち盛岡旅行メンバーに大ヒットの絵本
「しんかんせんでいこう 日本列島北から南へ 日本列島南から北へ」
著者は間瀬なおかた先生。絵もすごくきれいでかわいらしく、そしてとてもリアル。乗り物関係の絵本を沢山描かれています。
この絵本のすばらしいところは「表紙から読むと北海道から九州へ、
裏表紙から読み始めると九州から北海道へ」と、どちらから読んでもつながっています。
そして登場するのは新幹線だけではなく各地の在来線、私鉄まで、細かに描かれています!
なじみのある姫新線や、学生時代を思い出す山陽電鉄、阪急電車、、、。
絵本なので子どもたちと一緒に楽しみました。
母も地図代わりにこの絵本で新幹線の予習をしたり。
大人のみなさん、子どものみなさん、新幹線で旅する時はぜひこの本を♪
(中央図書館・あいすろいみ )

日記の練習

日記の練習

著者: くどうれいん

詳細情報

いったい誰と比べているのやら…。
実は日記をつけている。
始めては止め、また始めて、を繰り返してきたが、現在は「5年連用日記」の4年目。自分史上最長記録更新中だ。
飽きっぽいのと、気が乗らないと書けないのと、書けると思っている理想の文章と実際に書いたものとのギャップが許せないのであまり書きたくないのだが、書くこと自体はきらいではない。
小学校高学年から中学校の頃はいつも何かしら書いていた。授業中には友達に手紙を書いて回したし、クラス替えがあるたびに「プロフィール帳」を書いたし、もちろん交換日記も。そういえば、昭和の小学生は作文もやたらと書いていた(ですよね?)。
実家が引っ越すことになり、荷物を片付けていたら、小学校のクラスの作文集が出てきた。私の作文はというと「お母さんがケーキを焼いてイチゴと生クリームでデコレーションしてくれました。とてもおいしかったです。」などという完全な創作(大嘘)。何を書いていたのやら…。
「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増えるのだ」という、くどうれいんさんのウェブ連載日記をまとめた『日記の練習』には、「ぴかっ」と目に入ってくる文章や言葉がつまっている。彼女が考えていることや出てくるエピソードも、私とさほど変わらないのに(←言い過ぎ!)、こういうふうに書けるのかと思う。比べる意味が分からないと思うが、すごいのだ。そしてぽつりぽつりと「わたしってうるさいな。と思い、落ち込む。」という一文が出てきて、「だよねー」と自分の日記を読み返している気分になったりする。(中央図書館・くろ )

消えた映画館を探して

消えた映画館を探して

著者: 鷹取洋二著

詳細情報

May the Force be with you
私が本格的に「映画」というものを見始めたのは、1978年の夏、13歳の夏休みのことです。姫路の叔母に連れられ、従兄弟と大画面のスクリーンで見た「スター・ウォーズ」は私に感動と衝撃を与えました。
同時に、これが楽しみと苦難の始まりでもありました。
当時はネットもないので「ロードショー」や「スクリーン」といった月刊誌を情報源に公開される作品を調べ、近場でも津山、上映されていなければ岡山まで足を運ばなくてはなりません。時間もお金も伴いますので中高生の少年には厳しい環境でしたが、相当諦めの悪い私はアルバイトに励み、毎月1回のペースで遠征していました。
今は新作でもすぐにネット配信で視聴できるようになりましたが、県内の映画館の多くはシネコンになり、津山では映画館も閉館し15年以上経過している昨今です。
本書には私がかつて通った映画館が掲載されていました。鑑賞した映画とともにいっしょに見に行った友人達の顔、市内になかったマクドナルドを食べたこと等懐かしく思い出されました。さらに読み進めていくと自分が生まれる前には真庭(勝山・落合・久世・湯原)にも小規模ながらもそこそこ映画館があったことを知り驚きました。 
様々なエンタテイメントがあふれる令和の時代には、映画館に足を運ぶ人も少なくなっているようです。
でも、大きなスクリーンで大勢で見る映画は感動もひとしおです。
今後の映画の復興に「May the Force be with you」と思い、願うところです。
(中央図書館・SHITSUTYO)

人生下り坂最高!

人生下り坂最高!

著者: 火野 正平・NHKチームこころ旅著

詳細情報

ギアチェンジ
40代半ば、小さな字が読みずらくなった。
もしかして老眼?
これ?人生の後半ってこと?え?……自分でも驚くほど動揺をした。
そんな時にはじまった番組が『こころ旅』だった。
「あの場所を訪ねてほしい」と届いた手紙の風景を俳優の日野正平さんが自転車で訪ね歩く人気旅番組。
毎朝15分のゆっくりした時間。

「なるべくがんばりたくない」という正平さん。
上り坂では、「軽トラック来ないかな(のせてもらいたい)」とつぶやく。
「ファンです」という女性と握手しながら「(握手だけで)妊娠するで」と笑う。
おいしそうにそのまちの中華屋でラーメンを食べる。
動物、植物、風景、そして、人、そこにあるもの、そこで起こったことを楽しむ。
そして、心あたたまる手紙。
番組のキャッチフレーズは、火野さんが番組の初期につぶやいたひとこと
「人生、下り坂最高!!」
この言葉にははげまされた。
「そうか、下り坂にしか見えない風景があるのかもしれない」と。

番組開始から14年で終了となってしまった。
私も番組と一緒にゆっくりとギアチェンジしてきた。
下り坂だっていろいろあるんだなと知った14年だった。
若いころはプレイボーイで名を馳せた火野さん、
この本でもちょっとやんちゃな書きぶりが楽しい。

 「こころ旅」を続けて、人がいい印象を持ってくれることに、
  心のどこかっで「ちゃうわい」と思っているおれがいる。
  不良でいたい。
  立派な不良になりたい。

この一文のあとに、ご自分の「死に方」の予想を書いている。
あっていたかどうか、それは読んでのお楽しみ。
正平さん、毎朝、ありがとうございました。

(中央図書館 カンチョー)

まちへのラブレター    

まちへのラブレター    

著者: 乾久美子・山崎亮

詳細情報

めぐる往復書簡
紅葉の季節
色づく点が広がり
山を染めます

紅 赤 朱

共に眺め 言葉を交わすと
見ているものの違いに気がつきます。


駅前再開発プロジェクトに関わる著者の往復書簡は、
参加型デザインの成り立ちを話題に始まります。

一信、二信…と重ねるうち、
日々の仕事の様子
仕事への姿勢
姿勢の輪郭を作っているもの…と話題がめぐります。

めぐる話題の真ん中に、
『共に眺めていること』を大切にする思いを感じ、
あるべき姿を持たないやり取りの魅力が深まります。


視点が重なる

言葉が重なる

時が重なる

風に吹かれた葉が 
幾重にも重なり 濃くなり
秋が深まります。

殖ゆの訪れは、もうすぐです。

(蒜山図書館・芽栗)

体育がきらい

体育がきらい

著者: 坂本拓弥

詳細情報

私もきらい
私も「体育がきらい」である。
まず小学生の時は6年間、クラスで背の低さ1.2を争っていた。体育の時間は何をしても不利である。
中学生になっても背は低いままで、その時期一気に成長する女子の中でいつまでも小学生のようだった。体育の時間はうっすらと劣等感を感じながらやり過ごした。
そして同世代の方には共感していただけると思うが、体操服があずき色の、あの忌まわしきブルマーであった。
若い方には想像できないと思うが、ブルマーとは下着のパンツとラインがほぼ同じのぴっちりとした下半身に着用する体操服である。
体育とは、その恥ずかしいブルマーを履いている姿を晒す苦痛の時間であった。
高校生になってもブルマーは変わらず、あずき色が黒色になっただけだ。
思えば私が「体育がきらい」なのは、運動が嫌だからではなく、体格への劣等感とブルマーへの嫌悪感からではなかろうか。

中年となった今、本格的な運動こそしないが、体を動かすのは苦ではない。毎晩柔軟体操は欠かさないし、ピラティスのレッスンも楽しく続けている。この先も体の衰えに必死に抗っていくつもりである。
「体育がきらい」でも、大丈夫。
(北房図書館・はにわ)

みきのミキサーごはん

みきのミキサーごはん

著者: 藤原美紀 土方裕美 岩波君代/著

詳細情報

ミキサー食でも楽しいごはんに。
高齢の母と一緒に暮らしていると食事の際に色々な不具合が出てくる。母は入れ歯になってもう長い。最近は数回噛むと柔らかいお魚やごはんまで噛み出してしまう時がある。デイサービスでも同様らしく、介護士さんから「栄養とれてるのかなぁ?」と言われ、「全部ドロドロ状態のものだと手をつけないけど少しは組みあわせないといけないのかな・・・」と思っていた矢先、入院となった。
再度こちらの本を熟読してみる。美味しく見えるようにフランス料理のスープやソースのようにおしゃれに工夫されていて食欲をそそる。器のチョイスも大切らしい。そうだったのか・・・。あまり気にしていなかったな。もっと気を付けてあげていれば良かった。と後悔ばかり。
著者自身、嚥下機能が落ちていてミキサー食でないと食事ができない当事者ということもありご自身の体験談も多く書かれてあった。コンパクトな静音ミキサーを携帯し、友人との外食時には店内でのミキサー使用の許可をもらえれば一緒に食事を楽しむことができること。お店によっては“ほかのお客様のご迷惑になる”という理由で断られるお店も多いこと。そんな中でお料理をミキサー食にして出して下さったお店もあったそうで、お店の方の心遣いに感動してしまった。そんな優しいお店が増えることを願うのである。
(落合図書館・わらじ)

ヨーコさんの“言葉”それが何ぼのことだ

ヨーコさんの“言葉”それが何ぼのことだ

著者: 佐野洋子・文 北村裕花・絵

詳細情報

なるようになる
絵本『100万回生きた猫』でおなじみの佐野洋子さんのエッセイ集で、5冊がシリーズとして出されている。挿絵を担当されている絵本作家の北村裕花さんの表紙の猫ちゃんも自然体な姿でとてもキュートでお気に入り。
佐野さんの日常の中の言葉は他愛のないことでゆるいけど、なるほどなと思わされることも多く、中でもシリーズ2冊目の飼い猫フネのページは人間よりも猫のほうを優先しがちな自分にとってとても印象深い。生き物が弱り、別れが近づいていると感じると人間は勝手に悲しんだり、あたふたしてどうにかしようとする。でも生き物たちはそんなことおかまいなしに、あるがままに生き、自然の流れで終わりを迎える。そんな自然なことが人間には受け入れがたく、難しい。
日々進化する人間社会、便利なのはよいことだけど、考えることも多すぎる。なんやかんや言われても、それが「何ぼのもんだ」ぐらいの気持ちで、猫のように自然ななりゆきで生きていきていきたいもんだと、ストーブの前の大部分を猫に取られ、少しの温もりを感じながら思ったのである。
(落合図書館・ジジ)


ゆうべのヒミツ

ゆうべのヒミツ

著者: 室井滋

詳細情報

好きなんです、室井さん
俳優であり文筆家、絵本の原作も手掛けるマルチなお方。久々のエッセイ集待ってました。
今までのエッセイでは、芸能人だからと気張ることない庶民的な語り口で読みやすいのはもちろん、この方は小さな事件(ネタ?)に頻繁に遭遇してすごいなと思っておりました。
今回はそこまで突飛なことは起こりません。でも楽しく読めるのは、面白いことを見逃さない観察眼と、人を惹きつける言葉選びなのでしょうね。
さ、今夜も寝る前に一遍…と言いつつ、つい読み進めすぎてしまう…寝不足です。(久世図書館・N)

百年の孤独

百年の孤独

著者: G.ガルシア=マルケス

詳細情報

一度挫折した本
呪われた一族の百年にわたる物語が、現実と非現実が混ざり合いながら展開される世界的ベストセラーです。

この本を教えてくれたのは、高校生のとき通い詰めていた図書室の司書さんです。おすすめの本を聞いた私に、そっと渡してくれた分厚い本は、司書さんの私物でした。喜んで借りたものの、当時の私にはどうにも読み進められず、最初の章で離脱しました。

しかし、『百年の孤独』このかっこいいタイトルを気に入っていた私は、いつか読むのだと心に留めていました。同じ銘柄の焼酎を見かけると、あの本読まなきゃなと思い出されるのです。
2021年、中央図書館の新着本コーナーで発見したのをきっかけに、再び挑みました。歳を重ねてから読み始めると、一度挫折したのが嘘のように壮大な世界に引き込まれ、一気に読んでしまいました。
司書さんは高校生の私に読める適当な本ではなく、本当に自分が面白いと思った本を薦めてくれたのだな、と改めて感謝の気持ちが湧いてきました。あのときは、面白かった、と伝えることはできませんでした。私にとってこの本を読むのに最適なタイミングは、ずっと後だったのです。

今年文庫版が出版されて話題になっている『百年の孤独』、みなさんも“いつか”読んでみてください。
(美甘図書館・かも)

PAGE TOP