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一年一組せんせいあのね   こどものつぶやきセレクション

一年一組せんせいあのね こどものつぶやきセレクション

著者: 鹿島 和夫/選 ヨシタケ シンスケ/絵

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わたしが甘やかしすぎたかしら
小学1年生の登竜門、「せんせいあのね」。1年生の国語の単元で、経験したことや思ったことを先生に話しかけるかたちで文章を書くというもの。
娘が1年生の頃、せんせいあのねの宿題が出ては、どこかにお出かけしたこと、イベントに参加したことを書いていましたが、特に何もしていない日は「書くことがない」と。
どこかに行って何か特別なことをしなくても、日常の中で思ったこと、気づいたことを書けばいい、本を読んだ感想とか、空の雲がどうだったとか。と、伝えても納得しない娘におすすめの1冊。

神戸市で教員をされていた鹿島先生と子どもたちとのせんせいあのねからうまれた、1年生のことばたち。素直に感じたままの文章は、実は深く、でもかろやかに心に入っていきます。ヨシタケシンスケさんの絵とマッチして、くすっと笑えます。子どもならではの視点や、言葉の選び方は大人には書けないすてきな作品ばかりです。

ここで私のせんせいあのね

せんせいあのね。むすこ(2さい)がむすめ(7さい)にちょっかいかけて、なんかいも「やめて」っていっているのにやめてくれません。すると、むすめが「○○くんがこんなふうになったのは、わたしがあまやかしすぎたのかしら、、、」といっていました。どこでそんなことばおぼえたのでしょう。ばあばからきいたそうです。じゃあ、ばあばも「○○(わたし)をあまやかしすぎたのかしら、、、」と、まごにいっているのかな。
(中央図書館・あいすろいみ)

ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便を とり入れてみてはどうですか?~不便益という発想

ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便を とり入れてみてはどうですか?~不便益という発想

著者: 川上浩司

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不便からうまれる気づき
行き詰まりを感じているわけではないが、不便を取り入れる?不便益とは何だろう?とタイトルが気になり、とりあえず“まえがき”をめくってみた。
ある若手社員が企画のプレゼンで商品のネーミングを提案したが、上司から「長すぎる!」と一蹴されてしまう。しかし若手社員は今までのやり方を踏襲しようとする役員たちに納得がいかず、反論合戦が始まってしまう。
たいていの会議では発言するのは発表者と司会の人だけであとの人は黙って聞いていることが多くなる。(完全に黙って聞いている派に属する私には耳が痛い話である)しかしこの時は会議の参加者全員が本音で発言し合い、場が活性化されたのだ。なるほど長いタイトルは不便で採用されなくとも、そこから生まれた全員参加の議論は有益な時間となったのか。この本には著者の言う「不便であるからこそ得られる効用」が事例と共に紹介されている。
私の生活の中の「不便益」とは何だろう?すぐには思いつかない。それだけ不便なことは不便で仕方ないと受け入れているのかもしれない。しいていうなら姉と買い物に行き、同じ服を選んでしまったら色違いで妥協する。そして色に飽きたらトレードが可能。…はっ!そのためには私のダイエットが必要であった
(合掌)
(中央図書館・ヨラコ)


映画興行分析

映画興行分析

著者: 宇野 維正

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いやー洋画って本当にいいもんですね
以前も書いたことがありますが、実は読書より映画を見るのが大好きだったりします。
そんな私が最近特に感じていることなんですが、映画館(今はほとんどシネコン)に行くと、スクリーンのほとんどが「名探偵コナン」等のアニメだったり、「TVドラマの劇場版」だったりして、自分は確かに映画館にいるんだとの確信が揺らいでいるような気持ちになります。
私の世代は、TVのゴールデンタイムに映画劇場が週に4~5本はあり、それもほとんど洋画(ハリウッド大好き)が放送されていたことから、少なくとも、私の中では少年時代から現在まで「映画=洋画」で、同世代の方々も同じだろうと思っています。そう信じたい。
何でこうなったんだろうかと考えてみるのですが、思い返せば、多分、レンタルビデオや衛星放送が普及した頃から(1990年代後半?)か、地上波の映画劇場が激減し、残った数少ない番組も、アニメやシリーズ物を繰り返し放送することが多くなってきたことで、若い世代の人たちにとっては、映画=「アニメ」や「ドラマの劇場版」なんだろうなと、漫然とこういったことを考えている今日この頃なんです。
そんな時、出会った一冊が今回紹介する『映画興行分析』です。
この本を読むと、何となく感じていた疑問が解け、自分の思っていたことがデータでも裏付けられていて、納得するとともに、さびしかったり、自分が年老いて時代遅れになっているのかと考えたり、複雑な心境になりました。
私は、アニメもドラマの劇場版も好きで楽しんで見ています。
是非、若い方々に洋画も見ていただき、良さを知ってほしいなと願っています。

( 中央図書館 SHITUCHO )

アメリカは自己啓発本でできている

アメリカは自己啓発本でできている

著者: 尾崎俊介

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人生ノイズだらけもいいじゃない
 新聞書評等で少し前に話題になっていた『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだ。本が読めないのがいやで会社を辞めた著者が、日本の明治から現代に至る労働の歴史に、各時代の働く人々が何を読んできたかを織り交ぜて、働いていると本が読めなくなる理由を説く。現代人は情報を必要としていても、「ノイズ(歴史や他作品の文脈・想定していない展開)」が一緒に入ってくる読書は避けがちなのだと。こうして「タイパ」や「ファスト教養」へ行き着く。
 そんな中でも自己啓発書がかろうじて読まれるのは、他人や社会など自分ではコントロールできないものを「ノイズとして除去」して、自分の行動のみに注目するかららしい。
 そんなこといったら私の毎日は「ノイズ」だらけ、かも。
 この本を読みながらも、大正時代に登場した「サラリーマン」が何を読んでいたかで登場する『痴人の愛』を借りたり、自己啓発書といえば「あれ」を読みたかったのだと手に取ったり。
 ということで今回紹介するのはこの「あれ」、つまり『アメリカは自己啓発本でできている』。『なぜ働いていると〜』が当館では貸出中&予約待ちなのだ。お待ちの間にこちらをどうぞ。自己啓発本ってアメリカ発祥で、さかんに読まれたり書かれたりしている国はアメリカと日本くらいだそうだ。アメリカ文学者が自己啓発本を研究し尽くした稀有な一冊。

(中央図書館・くろ)

いちばんていねいな、基本のデッサン

いちばんていねいな、基本のデッサン

著者: 小椋 芳子

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光と影
実りの季節
黄金色の水面が秋風に揺れ
祝福の音を奏でます。

長く伸びる影 ふたつ

隣の影
早く 遅く

足下の影
早く 遅く

見えないものを みつめる
見えないように みつめる

こちらを見た影に
ふと顔を上げると

輝く視線に出会います。


残しておきたいことに出会ったとき
画用紙に物語を描きたくなります。

光と影を切り取って
自分にだけ見えるように…


隣り合う影

触れる

重なる

うれしい戸惑いに影が揺れます。

(蒜山図書館・影絵)

命を守る防災ふろしき

命を守る防災ふろしき

著者: よこやまよしえ

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やるな、ふろしき
先日法事があり、お供えに箱入りの桃を持って行くことにした。
桃はとてもデリケートな果物であるがゆえに、大事に運ばなくてはならない。箱は横に広く、手持ちの紙袋では平らな状態で運べるものがなさそうだ。
どうしようか思案した結果思いついたのが、ふろしきである。
我が家のタンスに確かたくさん眠っていたはずだ。ナフタリン臭い引き出しを開けると、まぁ~あるわあるわ、大小色とりどりのふろしきが。見るとそれらの隅っこには、きっちりとマジックや縫い取りで苗字が書かれている。几帳面だった亡き義母らしい仕事。しばし感慨にふける。
たくさんのふろしきの中から大きさと色味がぴったりな1枚を選び、桃の箱を包んでみた。すると、なにやらとても格調高い雰囲気が漂っている。
やるな、ふろしき。

この原稿を書いている今、まさに台風が日本に接近中である。
防災グッズの中にふろしきを入れることにしよう。
(北房図書館・はにわ)

京都ものがたりの道

京都ものがたりの道

著者: 彬子女王/作

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京都の文化や歴史を知れる観光本かと思いきや…
以前の職場にいた頃たびたび【京都行きたい病】を発症し、最寄りの駅からひたすら歩いて神社仏閣を巡っていた。時には母を連れて京都の美味しいものを食べに行った。
そんな私の目に〈京都〉〈彬子女王〉の文字が飛び込んできて「彬子女王?なせ京都?」と思わず本を手に取った。
仕事で東京から京都へ引っ越しをされて久しく、二駅分くらい歩くことは日常茶飯事という側衛さん泣かせの彬子女王殿下。殿下は散歩が趣味ということもあり、東西と南北の通りが碁盤の目のように作られた京都の街を歩いてみて気付いたこと、見つけたものを京都の文化やものがたりと共に紹介している。殿下の日常も織り交せながら書かれており、スッと人の輪に入っていかれるところも読んでいて面白い。
〈新町通(しんまちどおり)〉の祇園祭の章では、近年は本来の姿に戻ったのだが、一時期交通規制の諸事情で本来2回あった祗園祭の山鉾巡行が1回になったとのこと。その際本来の祭の中心は神輿渡御であるのに、お神輿を見て「これも祇園祭なのか?」と聞いている方がおられ、本来の姿を知っている方が少なくなり〈少しさみしい気持ちになったものだ〉とあった。
そうか、日本の文化や歴史を大切に思われるからこそ幼稚園の子供たちに日本文化を伝えて行くという活動を始められたのかもしれないなと感じた。
それにしてもこの行動力はどこから来るのだろうか?
生まれてからずっと警察の方と一緒だったという殿下。遊んでくれたり、時には叱ってくれたり危険な時には身を挺して護ってくれる、ある意味家族以上の存在だったそう。京都に引っ越して来られたからこそ、その方々の仕事の重要さを今まで以上に知ることになり、〈私のために命を懸けてくれる人が全国にいる。その人たちに「ああ、この人を護れてよかった」と思ってもらえる存在であるために自分はどうあるべきなのか。それがようやく心の中におちてきた〉と。
この一文で京都歩きに適した観光本で終わることのない、大切なー冊に出会えた気がした。
(落合図書館・わらじ)

ワンルームワンダーランド

ワンルームワンダーランド

著者: 落合 加依子,佐藤 友理/作

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そこにいる
この真庭市立図書館ホームページの「おすすめの1冊」で順番が回ってくるにあたり、人に読まれるものを書くということに意識が向くようになった。毎回、もう書けない…、という状態に陥ってしまうのだが、そんな時は他の人が書いた文章を読んでしまう。
この本はひとり暮らしのワンルームにまつわるエッセイが読める、しかも物書きを仕事としていない、自分に近い人のエッセイ、それも100人分。何か得ることができるかもと手に取ってみた。
部屋全体の写真とお気に入りのものの写真、それとエッセイ。シンプルな部屋から物にあふれた雑多な部屋。それぞれの部屋にその人だけの暮らしが写真とエッセイから感じられ、全く知らない人なのに親近感が生まれてくる。
子どもの時に友だちと筆箱を見せ合ったようなそんなわくわく感。
このコーナーにも、そんなわくわく感を感じていただけていればよいのですが・・・
(落合図書館・ジジ)

コラージュ川柳

コラージュ川柳

著者: 淀川テクニック/作

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「コラージュ川柳」?
「コラージュ川柳」…聞いたことない言葉かもしれません。なぜなら2011年にこの本の著者・淀川テクニックさんが生み出した言葉だからです。でも、日本新聞協会主催でのコンテストも開かれるなど知る人ぞ知るジャンルになっているようです。
コラージュ川柳とは、新聞や広告、雑誌など身の回りの印刷物から五文字と七文字の言葉を切り抜き、それらを五七五と三枚合わせて川柳を詠む、というもの。
この本には、著者がこれまでつくってきた「名作」をはじめ多数の「作品」が掲載されています。
「作品」とは、つまり切り抜きの写真になるわけですが、著者本人によると「昔のドラマに出てきた脅迫状みたいな感じ」だそうです(たしかに~)。切り取った言葉から組み合わせるからでしょうか、作者も思いもよらない作品になっているのではないかと思えます。思い立ったら誰でも今すぐできる、というのも良いなと思いました(作り方も掲載されています)。
 さて今回この本をPickupした理由は、その斬新な手法に惹かれる前に、著者淀川テクニックさんが、あの「真庭のシシ」等を作成した現代美術家であり、真庭市出身だからなのでした。面白さにかけても偉大な方です!
(久世図書館・N)

ヒルビリー・エレジー

ヒルビリー・エレジー

著者: J・D・ヴァンス/作

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あるかな
アメリカ大統領選挙がテレビや新聞、YouTubeなどで盛んに取り上げられていますね。共和党の副大統領候補となったJ・D・ヴァンスはラストベルト出身ということが注目されています。作家として自伝を出版していると知り、読んでみたくなりました。
さっそくネットで書名『ヒルビリー・エレジー』と検索すると、Amazonでは2017年発行の単行本は中古本しかなく、高値で売られています。注目度の高さを感じつつ、真庭市立図書館ホームページに移動します。キーワード検索に書名を入力して、あるかな、とどきどきしながらエンターキーを押すと、ありました。2018年に中央図書館が購入していました。心の中でガッツポーズする瞬間です。貸し出し中だったので予約を入れ、返却されるのを待ちます。2週間ほど経つと、本を手に取ることができました。
この本は、ラストベルトと呼ばれる米国中西部で育った著者が、貧しい白人が大多数を占める地方の人々の暮らしや価値観を描いています。ラストベルトに暮らす人が、オバマ元大統領とトランプ前大統領へそれぞれどんな感情を持つか書かれている箇所が印象的でした。
たくさんの情報が溢れる世の中、あなたの読みたい本はもう決まっているかもしれません。まずはその本が図書館にあるか検索してみてください。
(美甘図書館・かも)

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