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身近で発見!「激レア図鑑」

身近で発見!「激レア図鑑」

著者: おかべたかし

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ちょっとハッピー。
ある朝、机の上に四つ葉のクローバーが置いてありました。聞けば、昨日学校の児童が持ってきてくれたとのこと。子どもが一生懸命探してくれたのを想像したら、嬉しい気持ちになりました。
私も小さい頃よく探したなあ、と感慨にふけりました(大人になった今でも、私は時々四つ葉のクローバーを探すことがあります)。
 そういえば四つ葉のクローバーって、身近にあるレアアイテムですよね。私が一度は見てみたいレアアイテムといえば、黄色い新幹線「ドクター・イエロー」。いつどこで走っているのかわからず、まして県北在住だと見られる可能性は低いのですが、2027年の走行終了前になんとか見てみたいと思っています。
 ドクター・イエローは、まだ一般的に知られているほうで、日本には、まだまだ知られていないレアアイテムがかなりあるのです。
その様々なジャンルのレアアイテムを集めた図鑑がこちら!
すごい経験をした鳥居・ドラゴンアイ・UFO型信号機など自然に出来たもの、人間が作ったもの等、現実世界にある不思議な物が沢山集められています。見たことのないレアアイテムがきっと見つかるはずです。
最近、私が見つけたレアアイテムは、ニコニコ顔が描かれている塩カンロ飴の包装紙。見つけた時ちょっとハッピーな気持ちになれました。レアな物を見るとやっぱり嬉しくなりますね―。
ちょっとハッピーになれるレアアイテム。皆さんも見つけてみてください。

(学校図書館・さんさん) 

ひまわり

ひまわり

著者: 新川 帆立

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安静は麻薬
人生は、悲しみと喜びが入り混じるものです。誕生から人生の幕を閉じる日まで、人は時に絶頂を経験し、また時に底知れぬどん底に落ちることもあるでしょう。自分自身のことに限らず、大切な人の死に直面し、深い悲しみや喪失感に苛まれる人も少なくありません。私もごく最近、身近でとても大切な人を亡くしました。

「その人に乗り越えられない試練は与えられない」と言われることがありますが、この本の主人公・朝宮ひまりは、その言葉を体現しているかのようです。
本の表紙には、彼女が毅然と前を向き、しかもその目線は斜め上――まるで未来をしっかりと受け止め、乗り越えようとする決意が感じられます。まるでいつも太陽に顔を向けている「ひまわり」のように。
なぜ彼女は、そんなにも迷いのない、すっきりとした表情をしているのか?私はその理由が知りたくなり、気づけば惹きつけられるようにこの本を手に取っていました。

おしゃべりと食べることが大好きな33歳のひまりはある夏の日、出張帰りに交通事故に遭い、頚髄を損傷し肩から下が全く動かない状態になりました。過酷なリハビリを続けるも突き付けられたのは厳しい現実でした。ひまりは自立を目指し司法試験受験を決意します。「言葉は私の最後の砦。・・・・」

「ひまわり」という花は、自由と正義を象徴すると言われています。目の前に立ちはだかる壁を、自分の意志の強さと、周囲の支えによって一つひとつ乗り越えていく彼女。その姿に、思わず応援したくなるのは私だけではないでしょう。

いつ・どんなことが自分にふりかかるかはわかりません。私にひまりのような強さはないにしても、それでも、どんな出来事も他人事ではなく自分事として受け止め、せめて身近な人の力になれるような存在でありたい。そう願いながらも、何もできない自分の無力さを痛感する日々です。

第7章の見出し語に「安静は麻薬」という言葉があります。みなさんはこの言葉にどんな意味があると思いますか?私は本文中に紹介されている内容に思わず納得してしまいました。「安静にしていれば、楽で、気持ちがいい。しかもすぐには悪影響がでません。でも確実に、活動ができなくなっていきます。どんどん動けなくなって、楽しいことも嬉しいことも減っていく。・・・・・」。――この言葉は年齢を重ねた今の私にとって、心に深く刺さると同時に、自分を奮い立たせる戒めの言葉でもあります。


( 学校図書館・ぱおぱお )  

今夜、流れ星を見るために

今夜、流れ星を見るために

著者: 星空さんぽ編集部/編

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星に願いを
私の家は真庭市の中でも田舎だと思う。夜になれば街灯もなく真っ暗だ。
そのせいもあって星がとてもよく見える。星空を見るたびに「あー明日も晴れるな」「一番星はあれだ!」などと思ってきた。
しかし流れ星は見たことがなかった。
田舎に住む小学生姉妹(私と妹)はなんとかして流れ星が見たかった。
そこで車が来ない田舎道なのをいいことに道路に寝っ転がって流れ星を待った。「流れ星が流れたら3回お願いを言うんだよ!」「3回も言えるかな?」「なにお願いする?」と星より願いごとに夢中になりすぎて流れ星を見つけることはできなかった。
やっぱり流れ星なんてめったに流れないから見るのが難しいのだ。と思って諦めていたが、本書によると普通の夜でも1時間に4~5個は流れているという。やはりあの夜の私たちは願いごとに集中しすぎたのだ。
おとなになり、はじめて流れ星を見たとき、今度は感動しすぎて願い事を忘れてしまった。

本書でも流れ星に3回お願いをいうコツやどうして人は星に願いをかけるのかコラムで触れており、漢字2文字で短縮して願いを言うという方法には思わず、「これだ!」となってしまった。

今年の夏は流星群を待って、漢字2文字作戦で願い事を唱えまくってみようかな。
(学校図書館・さそり座の女)

大接近!工場見学 2

大接近!工場見学 2

著者: 添田康平

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私の子育てここがよかった~図書館での気づき~
ある日、アイスキャンディーでおなじみのガリガリ君を食べていた娘が「ガリガリ君ってどうやって作られているのかな?大きな氷からできているのかな?」と。
そこで私は、即座に「それなら中央図書館の5類の棚にピッタリの本があるよ!ガリガリ君の工場の本。今度借りよう!」と答えた。
子どもの疑問を本で見てみよう、しかもその本が図書館にあることがすぐわかる私、、、なんて知的な親(うっとり)。
なんて自分に酔ったが、普段はとても知的な受け答えなんてまったくできていなくて、基本子どもの疑問は「知らん。わからん。パパに聞いて。」なもんで、この時ばかりはいい親できたと満足した。娘も、のちにガリガリくんの工場の本を読んで予想した通り大きな氷から作られていたことがわかって喜んでいた。

もう一つ、普段ズボラな子育てしかしていない私だが、これはよかったということがある。それは、娘に図書館イベントにたくさん参加してもらったこと。何がよかったかというと、文化的な活動や経験ができて、本を身近に感じれてとても知的、、、(うっとり)もなんだが、1番よかったのは、イベントを通じて娘が色々な人と繋がり関われたこと!
親戚でも近所の人でもないおじちゃんと顔見知りになり、町で「おー、○○(娘の名)ちゃん!」と声をかけてくれたり(一緒にいたばあばは二人が知り合いなことに驚く)、ワークショップに参加して奥様方と紅茶を飲んだり、ユースワーカーのお兄さんたちとお話したり。
色々な人が集まる図書館で、色々な人と関わる。みなさん暖かい関わりをしてくれる。これって娘にとってすごくいいことなんじゃないかと、最近しみじみ思う。
優しく暖かく接してもらえたことが思い出になり、地元にはいい人がいるなと思ってもらえて、故郷を好きになってもらえるといいな。

*5類(日本十進分類表の「5類」で「技術・工学」についての本の意味)

(学校図書館・あいすろいみ) 

たった2℃で…

たった2℃で…

著者: キム・ファン

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 『熱い』本
 あ~今年もやってくる夏!
私は季節の中で夏が一番好き!
でもここ数年、暑いを通り越して酷暑ですよね・・・・。昨年、車の温度計が42℃を指していました。今年はどれくらい気温が上昇するのか・・・・。
この本のタイトルは 「たった2℃で・・・」です。
みなさんは地球の気温が2℃上昇と聞くとどんな印象を持たれますか?「たった2℃でしょ」と思いますか?それとも深刻な事態だと思いますか?
私はこの本を読むまでは前者でした。
 2℃もいろいろあります。人間の体温は2℃あがると、しんどくて病院に行かなくてはなりません。気温が2℃あがるとサンゴやゴマアザラシをはじめ、たくさんの動物たちの命は危なくなるそうです。
たった2℃で、です。
実は、魚にとっての2℃差は、人間にとっての20度差にあたいするそうです。
今、地球は「温暖化」という病気にかかり熱がでている状態です。
地球温暖化を防止するのは、地球のため、生きもののため。
しかし結局は私たち自身のためではないでしょうか。この本の先を描くは、私たち次第なのです。
(2025年全国作文コンクールの課題図書です)
(学校図書館・カーニさん)

逃げる勇気

逃げる勇気

著者: 和田 秀樹

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「逃げる」という選択肢を持っていないあなたへ
一年前、わたしは大きな決断をした。
長年、心血を注いできた仕事をやめたのだった。
その仕事は、中学生のときから夢みてきたもので、わたしは仕事のために自分を犠牲にすることをいとわず働いてきた。
しかし、年齢や経験を重ねるにつれ、給料とともに業務量も増え、責任も重くのしかかる。一生懸命だけが取り柄で、頼むのも休むのも途中で終わらせるのも苦手なわたしが、それに応えていくには、常に真正面から全力でぶつかっていくしかなかった。
度重なる人事異動の末、二年前には未経験の業務のリーダーを任された。わたしは大好きな飲み会の誘いを全て断り、趣味の音楽活動も遠ざけ、家庭のことも顧みず、ただひたすら仕事に向き合っていた。逃げたら負けのような気がして。
そんなゴールの見えない全力疾走の毎日の中で、ある日、ふと見上げた空の美しさが感じられなくなっていることに気づいた。ムダに晴れた空に訳もなく腹が立ったりもした。
そうした違和感を覚えつつも、とくに何かするということもなく、仕事最優先の日々を送っていた。そしてついに、積もりに積もった疲労からか、心身のダメージを自覚すると同時に疑問と不安が爆発するときが来た。
「あれ?仕事が好きで、仕事のために他のことを全部我慢してきたのに、体調崩したらその仕事さえできないなんて、わたし何のために生きとるんじゃろ?!」
そこで、わたしは初めて自分優先で生きてみることを思いついた。
そして、そのためにはいったん仕事から離れるしかない、と覚悟した。
しかし、自分の夢だった仕事をあきらめることはそう簡単ではなかった。自分自身を否定するようで怖かった。「置かれた場所で咲きなさい」を信条として生きてきたわたしに逃げるという選択肢はなかった。
が、とある深夜の帰り道、ぼんやり運転で対向車に吸い込まれそうになりながら、「これで明日は休めるかな」と思ってしまった瞬間、大切な家族や仲間たちの顔が浮かんでハッとしたわたしは、とにかく生きる方を選択することに決めた。
いろいろあったけど、今わたしは大きな窓からきれいな青空の見える図書館で、新しい世界に真正面から向き合っている。

最近、この「逃げる勇気」という本に出会った。
そして、「逃げる」ことも勇気ある選択肢のひとつだと気づき、あのときの自分の決断を少しだけ前向きに受け止めることができた。
本の中で、「逃げる」ことは「自分に合う環境に移る」「命と心を守る行動」なのだと著者は言う。「生きていれば、勝ちです」と。
この本のメッセージが、必要としている誰かにどうか届きますように。
(中央図書館・よねピー) 

世界のかわいいカップ&ソーサ―

世界のかわいいカップ&ソーサ―

著者: 明石 和美

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至福の一杯のために
私の至福の時間は、子どもたちの寝かしつけ後に飲む一杯の紅茶である。(日々睡魔に負けて、気付けば朝…の事が多いのだが…。)
仕事に育児に…とバタバタと過ぎる日常に、静かなリビングで一人、大好きな紅茶を一杯飲むだけで、日々の疲れが癒される気がするのだ。

紅茶を飲むカップにもこだわりたいのが正直なところだが、我が家ではまだまだ壊される可能性があるため、壊れにくいものや壊れても差し支えないものを使っているのが現状である。
本書を読みながら、こんなかわいいカップでゆっくり優雅に飲めたらなあ…と妄想に浸った。
子どもたちが成長して、食器が割れる心配がなくなったら、こだわりのカップで日々の疲れを癒したいと思いつつ、それは果たしていつになることやら…と未来にふける毎日なのである。
(中央図書館・みかん)

わたしたちが光の速さで進めないなら

わたしたちが光の速さで進めないなら

著者: キム・チョヨプ

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もしも、こんな世界なら、あなたはどうしますか?
もしも、
……美しく病気がない体に遺伝子を操作できたら、
……異星人と色で会話ができたなら、
……脳に他の生命が共生していたら、
……宇宙の果てまで人の生活圏が広がったなら、
……感情を商品として買うことができたなら、
……亡くなった人がデータ化して図書館に保存されていたら、
……たくさんのお金をかけて無敵の体を手に入れたら、
あなたはどうしますか? そんな七つの世界を収めた短編集。

SFは思考実験だ。それでも難しい話はなく未来や、別の惑星の世界なのに、どこかわたしたちの現実と地続きに見える。わたしたちとよく似た感情が描かれ、どこか哀しく、なぜかやさしい。

韓国で40万部突破、ベストセラーとなった作品集。
表題作の「わたしたちが光の速さで進めないなら」は宇宙港で待ち続ける老人の話だ。人生で選択を迫られたとき、後悔のなく選択できるのだろうかと考えさせられた。光の速さで何年もかかる場へ生活圏が広がったとしたら、人の感覚も変わることに気づかされる話でもある。

著者キム・チョヨプは韓国現代SF作家として、日本でも名が知られるようになった。作風はマイノリティーへのやわらかい眼差しと、社会で感じる疎外感や心の機微をすくいあげるように描くのが特徴だ。SFが難しそうだと感じる人にもおすすめしたい。
(中央図書館・カエアンのスカーフ)

植物たちのフシギすぎる進化

植物たちのフシギすぎる進化

著者: 稲垣栄洋

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いろいろある
いろとりどりの傘が揺れる季節
見慣れた景色に生まれた距離
翠雨が織りなす みずわ

なみうち
つながり
カタチをカエル

多種多様な植物の進化を紹介する本書

著者の稲垣さんは、
「違いは必要だから存在する」と語り、
真の意味の「多種」「多様」とは何か…
を問いかけます。

厳しい環境で
いろいろあることを讃えあい
進化する
たおやかな植物の姿に魅了されます。

渦く水面 描き見る
切なに過ぎ去り 多知仰日(タチアオイ)

ゆれるマナー

ゆれるマナー

著者: 青山七恵、戌井 昭人、著 小川 糸、 温 又柔、 恩田 侑布子、 白岩 玄、服部 文祥、松家 仁之、 宮内 悠介

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マナーはわきまえているつもり
マナーにちなんだごく短いエッセイが軽く読めるこの本、就寝前にぴったりである。
寝落ちする前に1篇をちょうど読み終える長さで、毎晩読んでいる。
だが、なかなか1冊が読み終わらない。
最近起きたできごとを、私もマナーにちなんで書き記したい。

先日、15年ぶりに結婚式に招待され、家族5人で参列してきた。
会場となる県南の某結婚式場は気後れしてしまうほどオシャレで格調高く、緊張した面持ちの我ら。
披露宴が行われる部屋にはシャンデリアが輝き、随所に凝った装飾も美しく華やかなことこの上ない。
いよいよ披露宴が始まった。乾杯の後は普段見ることも口にすることもない豪華な料理が次々と出てくる。
我々はおもむろにナイフとフォークを手にし、テーブルマナーにのっとりぎこちなく食べ進める。
もちろんどれもこれもおいしいのだが、私は着物で参列したために胃の辺りを何本もの腰紐できつく締めあげられており、思うように食事が喉を通らない。
しまった。着物なんて着て来なければ良かった。
しかし、こんなご馳走を食べる機会はもうないかもしれない、と必死に食べ進める。
ワンピース型のドレス姿で臨んだ娘は、悔しいくらい余裕の表情だ。
ふと見ると隣の夫が、ヒレステーキ肉を切り分けるのに苦戦している。
どうしたのだろう、こんなに柔らかいお肉なのに、と思っていると、娘がすかさず「さかさまだよ」と小声で冷たく言い放つ。
老眼が進んでいる夫は手元が良く見えず、なんとナイフの背でお肉を切ろうとしていたのだ。
気まずそうに夫はそっとナイフの向きを変えた。
そしてステーキと一緒に運ばれてきた、白い半透明でふわふわしたものに話題が及んだ。
夫に小声で、「これなんじゃろう?」と聞くと、
「大根おろしじゃがな。ステーキにかけるんじゃろう。」と夫。
ソースはかかっているが、大根おろしが付け合わせなのだろうと納得したところで、娘がぴしゃりと「シャーベットだよ」と言う。
口に入れると確かに冷たいシャーベットであった。
私たちは顔を見合わせ、黙ってシャーベットを口に運んだ。
華やかな宴が終わり、帰路、夫は聞こえないくらいの小声で言った。
「やっぱり白いご飯と漬物が一番じゃな」
私は黙って強く頷く。
披露宴会場では言いたくても言えなかった本心を、車中でそっとつぶやいた我々はマナー違反ではないだろう。
(中央図書館・はにわ)

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