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ビジネスマン超入門365

ビジネスマン超入門365

著者: 林 雄司

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タイトルだけで誤解しないで
新年度から早2週間が経とうとしている。この度、新社会人になった人も多いのではないだろうか。そろそろ職場の雰囲気に慣れてきたかな、という人におすすめしたいのがこちら。
タイトルだけ見るとお堅い本のように思えるが決してそんなことはなく、ビジネスの場において大切な知恵の数々が365日分ゆる~く収録されたビジネス書である。1日分が5行程度という短さで構成されており、絵本のように気軽に読むことができるのがポイント。
さらに、各トピックスにはクスッと笑える林さんの一言とヨシタケシンスケさんのイラストが描かれており、こちらも合わせて読んでいただきたい。
365日分あることにより、自分の誕生日や今日の日付など、目に付いたページを見るだけでも楽しむことができる。
ちなみにこの記事が掲載される4月19日は「用語:オーソライズ。ホワイトボードに自分の都合のよい意見だけ書いて、議事録にして送ること。」それに対する林さんの一言は、ぜひ読んで確認していただきたい。
(湯原図書館・ノサミ)

おだまり、ローズ

おだまり、ローズ

著者: ロジーナ・ハリソン 著

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信頼関係があってこそ
蔵書点検で館内の本を読み込んでいたときに見かけて、思わず手が止まってしまったこのタイトル。なかなか分厚い本ですが、読んでみたら期待を裏切らない内容でした。

「ウィットに富む」ってこういうものを言うのでしょうか。
20世紀前半のイギリスで子爵夫人に仕えたメイド・ローズの回顧録なのですが、メイドになる前、序盤の子ども時代の章からもう切れ味が鋭い。
型破りな子爵夫人のもとに来てからはさらに痛快で、その生活と二人のやりとりを垣間見ているような読者としてはニヤニヤしっぱなしです。扱いにくいと評判の主人を相手に、物おじしないどころか口答えして口論するローズもかなり型破りなのでした。

当時の貴族の生活を知りたいあなたにもおすすめですよ。
(蒜山図書館・888)

満月珈琲店

満月珈琲店

著者: 桜田千尋 作・絵、望月麻衣 文

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ちょっと一息つきませんか。
 ある日、お家でまったりとしているときにきれいなイラストと物語が読める落ち着いた絵本みたいな本はないかなとスマホで探してみたら、この本が出てきました。
 疲れた人だけがいける満月珈琲店にはいろんなお客さんが訪れます。近所に住んでいるお兄ちゃんに失恋した女の子。挫折をした元アイドル。仕事を辞めたサラリーマン。最愛の人を亡くした女性の春夏秋冬4つのお話で構成されているイラストストーリー集です。
三毛猫のマスターが満月珈琲店に訪れた人のために、スイーツやフード、ドリンクを提供してくれます。マスターが提供してくれる「満月バターのホットケーキ」、「天の川ミルクティー」、「水星のアイス」などの料理の名前に天体や天候が入っているのが素敵で、私も食べたいな、私が行ったらどんな料理をマスターは出してくれるのかなと思わせてくれました。
 満月珈琲店は満月の夜にさまざまなところに現れます。あなただったらどこに現れてくれたらいいなと思いますか。また、猫のマスターに何の料理を作ってもらいたいですか。
(中央図書館・通りすがりのCROW)

夜は猫といっしょ

夜は猫といっしょ

著者: キュルZ(ゼット)

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さば・とら・きじならあるのかも?
「ザラザラの舌によるグルーミングは痛い」「狭くとも頭が通れば通り抜けられる」……などなど、本書は猫あるあるをリアルに描く短編マンガ集。

主人公の兄妹フータくんとピーちゃんは一緒に暮らしている。その猫の名前は「キュルガ」。この少し不思議な名前の由来は「QRコード画像」から。ある日、ピーちゃんがスマホで猫を写真撮影すると、猫の頭の柄をなぜか二次元コードとして認識してしまった。

実は、私も同じようにうちの猫(「ギーちゃん」)を撮っていて、突然QRコードを読み取ったことがある。何のサイトに飛ぶのだろうか?と、ちょっとワクワクしながらクリックしてみると、某「現場を支えるネットストア」の画面に切り替わった。
「ギーちゃん、あんた○○タロウだったん…」

そんなわけで本書は、猫好きのあなたなら、いちいち「たしかにー」となるはず。夜のお供にいかがですか。
(中央図書館・みーやん)

ゆるパイ図鑑

ゆるパイ図鑑

著者: 藤井青銅

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名物に旨い物なし、と申しますが
サブタイトルは「愛すべきご当地パイたち」。
つまりこの本は、日本各地で発売されている(一部、発売終了しているものもありますが)ご当地パイ菓子を「魚介類」「フルーツ系」といった材料別に分類し、写真やデータを添えて解説している〈図鑑〉なのです。
冒頭で紹介されているのは「夜のお菓子」うなぎパイ。初めて食べたときは、何やら大人の味がするような気がしたものです。「気のせいだよ、確かに美味しいけど」と今なら当時の自分にツッコんでやれるのですが。
 それはともかく。全国47都道府県、まんべんなく発売されているご当地パイ。岡山県は写真と解説付きで「直島うま塩パイ」、名前だけですが「千屋牛パイ」などが紹介されており、洋菓子好きなら眺めているだけで幸せになれます。
 名物に旨い物“あり”、です。
(中央図書館・だいず)

菜食主義者

菜食主義者

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入り口はタイトルから
ノーベル文学賞受賞作家ということもあり、以前から気になっていたこちらの本。(気になっているわりに積読状態であった。)
気になっていたがゆえに、あらすじやレビューなどは一切見ることなく挑んだ。そして「菜食主義者」というタイトルから、いわゆるベジタリアンの日常をコミカルに描いた作品なのかと勝手に想像していた。……全然違った。いや、最初は軽いタッチでスルスルと読めたのだ。が、しかしなぜ菜食主義者になってしまったのかという経緯が見えてきた瞬間、「あぁ…」と低く深いため息がでた。ある時代に生きてきた人間の欲や闇、そこに悩み苦しむ人たちの描写が生々しく、一瞬でもコミカルを期待した自分を失笑した。この作品については、文化や習慣の違いを加味しても好みが分かれるだろうと感じた。うむ…「菜食主義者」のほか、あと2つの話が収録されている。続けて読むかどうか迷ったが、次の「蒙古斑」という意味深なタイトルを目にしたとき、なんだかんだとページをめくる手は止まらなかった。結局、「あぁ…」とため息が出ることも含め、私はハン・ガン氏の作品に惹かれていることに気づいたのである。
(中央図書館・ヨラコ)

ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家

ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家

著者: エイミー・ノヴェスキー 文 イザベル・アルスノー 絵

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絵本からはじまる世界
「返却期限日までに読めなかったから、延長してもらっていい?なかなか読む時間がなくて……」
「わかります~!2週間あっという間ですよね(※)」なんて、カウンターでの利用者さんとのこんな会話は、図書館司書あるあるだ。図書館司書なんだから本をたくさん知っていなければならないのに、本を読めない言い訳はいくらでも出てくる…。

ある日、新しく図書館に入れる本の選定会議で世界的な彫刻家、ルイーズ・ブルジョワの本が話題になった。私はルイーズ・ブルジョワも有名な作品も知らなかった。そこで、市内図書館に彼女の関連本がないか調べると、彼女の生涯が描かれている絵本があった。
早速借りて読んでみると、彼女の生い立ちや、幼いころの家族への愛や悲しみから作品が生まれたことが簡潔に描かれていた。高学年向けの本で文字数が多いといっても絵本なので読むのは早い。
この意味でも、私は絵本や児童書が好きだ。
興味を持った私は、ルイーズ・ブルジョワ作 『ルイーズ・ブルジョワ展 地獄から帰ってきたところ言っとくけど、素晴らしかったわ』(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 美術出版社書籍編集部)を読み、彼女の作品を見た。
作品に衝撃を受けた。愛も悲しみも私が思っていたよりずーーーっと、とてもとても深かった……。
※次の予約の方がいなければ、二週間延長できます!

(中央図書館・あいすろいみ)

ローワンと魔法の地図

ローワンと魔法の地図

著者: エミリー・ロッダ

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キング・オブ・ファンタジー
川の流れが止まった。
「川はあの山から流れてくるのよ」
「あの山で何か具合の悪いことが起こったせいで、川の流れが止まったんだ」
リンの村人は探索隊を山に派遣することに決めました。
竜がいるという伝説がある山の頂へ……

本物のファンタジーの力に冒険心がくすぐられます。
主人公は弱々しい男の子。なぜこの子が村を救えるのか?
最後まで読むとハッとさせられるはず。

指輪物語、ナルニア国物語、ゲド戦記、ハリーポッター……数ある魅力的なファンタジーの中でも、学校司書時代をふくめ、私がこれまでの人生で一番たくさん子どもたちにおすすめしてきた物語です。
ほとんどの子が目を輝かせて「続きが読みたい!」と返してくれました(その言葉、待ってました!と心の中でガッツポーズ)。

大人の方でも十分楽しめます。

(中央図書館・イミ)

著者: ポール・オースター

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小説というものの醍醐味は。
この本ほど紹介しにくい本はなく、「とにかくお読みください」としか言いようがありません。
そんな本をなぜわざわざ紹介するのか。
それは、これをポール・オースターファンだけが読むのはもったいなさ過ぎるから。

内容は「1950〜70年代アメリカを舞台にしたユダヤ系の若者の成長物語」。え?こんな30文字以内でまとまるような話を、厚さ6センチ、800ページの鈍器みたいな本でわざわざ読まないって?ですよねぇ、ごもっとも。
しかしながら私は、160ページ過ぎくらいまで読んだところで、著者が何をしようとしているのかが分かってまず意表を突かれ、そこからはらせん階段をぐるりぐるりと登りつづけていくような感覚で4、3、2、1と読み進み、やっとたどり着いた先で目の前に開けた景色を見て、「ここまで来た甲斐があったなぁ」と心の底から思ったのです。本がこんなに分厚くなるのも仕方ないわ、とも。
もっと言いたい、でもこれ以上は言えない、言いたいけど。読み終えたら語り合いましょうね。

160ページ過ぎての発見について誰かとしゃべりたくて、私より少し前に読み始めた知人に「この本の読み方が分かった」とメッセージを送ったところ、「それってどういうこと?私は150ページくらいで止まってて…」と返事があり、おおっとあぶない^^; と思ったのでした。
そろそろ彼女も読み終わったかな。
(中央図書館 くろ)

アリ対猪木 アメリカから見た世界格闘史の特異点

アリ対猪木 アメリカから見た世界格闘史の特異点

著者: ジョシュ・グロス

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時代が追いついたのか。世紀の凡戦から総合格闘技の原点へ
真庭市民の多くは6月26日といえば露天風呂の日という認識をお持ちかなと思っていますが、
この日は「格闘技の日」だそうで1976年の同日にアントニオ猪木とモハメッドアリが戦った
「格闘技世界一決定戦」を記念して制定されたそうです。
1976年は土曜日も半ドン(死語?)でしたが学校があり、全世界に中継された「格闘技世界一決定戦」を見ようと
急いで帰宅したことをとてもよく覚えています。
緊張感のある試合でしたが、猪木の勝利を信じていた当時小学5年の私の期待には沿わない展開が続き
15ラウンド引き分けという残念な結果となりました。
翌日の報道では「世界が笑った」、「世紀の凡戦」と酷評されましたが、
UFC等の総合格闘技の大会が盛んになった現在では総合格闘技の原点と再評価されており、感慨深いものがあります。
本書はアメリカ人のジャーナリストが執筆したアメリカサイドの視点という点で興味深く読ませていただきました。
(中央図書館・SHITSUCHO)

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