Pick up

まちへのラブレター    

まちへのラブレター    

著者: 乾久美子・山崎亮

詳細情報

めぐる往復書簡
紅葉の季節
色づく点が広がり
山を染めます

紅 赤 朱

共に眺め 言葉を交わすと
見ているものの違いに気がつきます。


駅前再開発プロジェクトに関わる著者の往復書簡は、
参加型デザインの成り立ちを話題に始まります。

一信、二信…と重ねるうち、
日々の仕事の様子
仕事への姿勢
姿勢の輪郭を作っているもの…と話題がめぐります。

めぐる話題の真ん中に、
『共に眺めていること』を大切にする思いを感じ、
あるべき姿を持たないやり取りの魅力が深まります。


視点が重なる

言葉が重なる

時が重なる

風に吹かれた葉が 
幾重にも重なり 濃くなり
秋が深まります。

殖ゆの訪れは、もうすぐです。

(蒜山図書館・芽栗)

体育がきらい

体育がきらい

著者: 坂本拓弥

詳細情報

私もきらい
私も「体育がきらい」である。
まず小学生の時は6年間、クラスで背の低さ1.2を争っていた。体育の時間は何をしても不利である。
中学生になっても背は低いままで、その時期一気に成長する女子の中でいつまでも小学生のようだった。体育の時間はうっすらと劣等感を感じながらやり過ごした。
そして同世代の方には共感していただけると思うが、体操服があずき色の、あの忌まわしきブルマーであった。
若い方には想像できないと思うが、ブルマーとは下着のパンツとラインがほぼ同じのぴっちりとした下半身に着用する体操服である。
体育とは、その恥ずかしいブルマーを履いている姿を晒す苦痛の時間であった。
高校生になってもブルマーは変わらず、あずき色が黒色になっただけだ。
思えば私が「体育がきらい」なのは、運動が嫌だからではなく、体格への劣等感とブルマーへの嫌悪感からではなかろうか。

中年となった今、本格的な運動こそしないが、体を動かすのは苦ではない。毎晩柔軟体操は欠かさないし、ピラティスのレッスンも楽しく続けている。この先も体の衰えに必死に抗っていくつもりである。
「体育がきらい」でも、大丈夫。
(北房図書館・はにわ)

みきのミキサーごはん

みきのミキサーごはん

著者: 藤原美紀 土方裕美 岩波君代/著

詳細情報

ミキサー食でも楽しいごはんに。
高齢の母と一緒に暮らしていると食事の際に色々な不具合が出てくる。母は入れ歯になってもう長い。最近は数回噛むと柔らかいお魚やごはんまで噛み出してしまう時がある。デイサービスでも同様らしく、介護士さんから「栄養とれてるのかなぁ?」と言われ、「全部ドロドロ状態のものだと手をつけないけど少しは組みあわせないといけないのかな・・・」と思っていた矢先、入院となった。
再度こちらの本を熟読してみる。美味しく見えるようにフランス料理のスープやソースのようにおしゃれに工夫されていて食欲をそそる。器のチョイスも大切らしい。そうだったのか・・・。あまり気にしていなかったな。もっと気を付けてあげていれば良かった。と後悔ばかり。
著者自身、嚥下機能が落ちていてミキサー食でないと食事ができない当事者ということもありご自身の体験談も多く書かれてあった。コンパクトな静音ミキサーを携帯し、友人との外食時には店内でのミキサー使用の許可をもらえれば一緒に食事を楽しむことができること。お店によっては“ほかのお客様のご迷惑になる”という理由で断られるお店も多いこと。そんな中でお料理をミキサー食にして出して下さったお店もあったそうで、お店の方の心遣いに感動してしまった。そんな優しいお店が増えることを願うのである。
(落合図書館・わらじ)

ヨーコさんの“言葉”それが何ぼのことだ

ヨーコさんの“言葉”それが何ぼのことだ

著者: 佐野洋子・文 北村裕花・絵

詳細情報

なるようになる
絵本『100万回生きた猫』でおなじみの佐野洋子さんのエッセイ集で、5冊がシリーズとして出されている。挿絵を担当されている絵本作家の北村裕花さんの表紙の猫ちゃんも自然体な姿でとてもキュートでお気に入り。
佐野さんの日常の中の言葉は他愛のないことでゆるいけど、なるほどなと思わされることも多く、中でもシリーズ2冊目の飼い猫フネのページは人間よりも猫のほうを優先しがちな自分にとってとても印象深い。生き物が弱り、別れが近づいていると感じると人間は勝手に悲しんだり、あたふたしてどうにかしようとする。でも生き物たちはそんなことおかまいなしに、あるがままに生き、自然の流れで終わりを迎える。そんな自然なことが人間には受け入れがたく、難しい。
日々進化する人間社会、便利なのはよいことだけど、考えることも多すぎる。なんやかんや言われても、それが「何ぼのもんだ」ぐらいの気持ちで、猫のように自然ななりゆきで生きていきていきたいもんだと、ストーブの前の大部分を猫に取られ、少しの温もりを感じながら思ったのである。
(落合図書館・ジジ)


ゆうべのヒミツ

ゆうべのヒミツ

著者: 室井滋

詳細情報

好きなんです、室井さん
俳優であり文筆家、絵本の原作も手掛けるマルチなお方。久々のエッセイ集待ってました。
今までのエッセイでは、芸能人だからと気張ることない庶民的な語り口で読みやすいのはもちろん、この方は小さな事件(ネタ?)に頻繁に遭遇してすごいなと思っておりました。
今回はそこまで突飛なことは起こりません。でも楽しく読めるのは、面白いことを見逃さない観察眼と、人を惹きつける言葉選びなのでしょうね。
さ、今夜も寝る前に一遍…と言いつつ、つい読み進めすぎてしまう…寝不足です。(久世図書館・N)

百年の孤独

百年の孤独

著者: G.ガルシア=マルケス

詳細情報

一度挫折した本
呪われた一族の百年にわたる物語が、現実と非現実が混ざり合いながら展開される世界的ベストセラーです。

この本を教えてくれたのは、高校生のとき通い詰めていた図書室の司書さんです。おすすめの本を聞いた私に、そっと渡してくれた分厚い本は、司書さんの私物でした。喜んで借りたものの、当時の私にはどうにも読み進められず、最初の章で離脱しました。

しかし、『百年の孤独』このかっこいいタイトルを気に入っていた私は、いつか読むのだと心に留めていました。同じ銘柄の焼酎を見かけると、あの本読まなきゃなと思い出されるのです。
2021年、中央図書館の新着本コーナーで発見したのをきっかけに、再び挑みました。歳を重ねてから読み始めると、一度挫折したのが嘘のように壮大な世界に引き込まれ、一気に読んでしまいました。
司書さんは高校生の私に読める適当な本ではなく、本当に自分が面白いと思った本を薦めてくれたのだな、と改めて感謝の気持ちが湧いてきました。あのときは、面白かった、と伝えることはできませんでした。私にとってこの本を読むのに最適なタイミングは、ずっと後だったのです。

今年文庫版が出版されて話題になっている『百年の孤独』、みなさんも“いつか”読んでみてください。
(美甘図書館・かも)

オタク女子が、4人で暮らしてみたら

オタク女子が、4人で暮らしてみたら

著者: 藤谷 千明

詳細情報

わたし、気になります!
実家にいた頃は友人と気軽に遊べた。しかし、社会人になって地元を離れるとそうはいかない。日程調整だけで難航することもしばしば…。「友達と一緒に住めたらどれだけ楽しいだろう」……そんな私の空想を実現させているのが本書である。
将来への不安を覚えた著者が、同じ悩みを抱えたオタクな友人たちと同居に至るまでの経緯や、日々の暮らしの様子を綴ったゆる~い日常エッセイ。
オタクならではの住民同士の面白い会話だけでなく、生活ルールや家事分担の決め方など、ルームシェアをする上で参考になる情報もたくさん書かれている。
ちなみに、他人同士で住むコツは?と聞かれ、「衛生観念と経済観念と貞操観念のすり合わせができたらなんとかなるのでは」と著者は答えている。家族やパートナー「じゃなくても」、友人同士「だからこそ」の暮らし方もあるような気がした。
ルームシェアをお考えの方、ご参考までに。
(湯原図書館・ノサミ)

ミステリな建築 建築なミステリ

ミステリな建築 建築なミステリ

著者: 篠田 真由美

詳細情報

間取りを見ているだけで時間が経ちます。
ミステリ小説は好きでよく読むのですが、残念ながら空間把握能力に若干の難があるらしい私は、推理の肝となる建物の描写を読んでもいまいち頭に様子を思い描けません。
最近では、さーっと読んで「とにかく密室なんだな!よし!」と、もはや考えるのを諦めることもしばしば…。
いえ理解したいとは思っているのです。そこで手に取ってみた本です。
一度は耳にしたことのある有名な作家の有名なミステリ小説の舞台となっている建築物を、再現イラストなど合わせて解説してくれます。(ミステリのネタバレはなし!)

しかし、とくに興味深かったのは本の前半。実在した建築物の謎について書かれた章でした。
鹿鳴館や龍翔小学校など、明治時代の建物ってどうしてこう心が惹かれるんでしょうね。
(蒜山図書館・888)

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365日

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365日

著者: デイヴィッド・S・キダー

詳細情報

つまみ食いもいいでしょ。
年に1・2回、仕事関係以外で「固い本が読みたい!」という衝動に駆られることがあります。この本は、そんなある日に出会った一冊。大まかに説明すると、扱うテーマは「歴史」「文学」「視覚芸術」「科学」「音楽」「哲学」「宗教」の7つに分かれており、例えば「歴史:アルファベット」「文学:『ユリシーズ』」という風にテーマに沿った事柄が1ページごとにまとめられているので、1日に1ページずつ、365日を目標に読むといい、という仕様になっているのです。
そう言われても本の分厚さと「365日」という日数にたじろぐ方もいらっしゃると思います。正直に言って、私も一気に読んだわけではありません。気が向いたときに「前はたしかここまで読んだはず」という記憶を頼りに読んでいくのです。なんなら、読んでもよくわからないところは斜め読みにしたりもしますし。
いわばこの本は〈知識のつまみ食い〉ができる本なのです。小腹が空いたときに軽く何かを食べるように、ちょっと知識欲を満たしたいときに、様々な知識を自分のペースで読む。邪道かもしれませんが、そんな読書もあってもいいかな、と個人的には思っています。
もちろん、まっとうに1冊読み切れば、十二分にご満足いただけると思います。秋の夜長、多彩な知識のつまみ食いはいかがですか?
(中央図書館・だいず)

ATTENTION SPAN デジタル時代の「集中力」の科学

ATTENTION SPAN デジタル時代の「集中力」の科学

著者: グロリア・マーク/著 依田 卓巳/訳

詳細情報

私に足りないもの、それは、自制心・・!
幼いころから本を読むことが好きな私ですが、5年ほど前から読む量が明らかに減ったことに気づきました。
加えて、集中して長時間、本を読むことが難しくなってきていることにも。

逆に増えた時間といえばスマホを眺める時間です。
最初は違和感のあったSNSのショート動画が今では見始めると止まらなくなる。
逆に長すぎる動画を見るのは億劫になってきている。
スマホが近くにないと落ち着かない。
そんな症状に気づいてしまったのです。

うーむ……
本を読むことで得られる発見や感動を手放したくない。ジャケ買いした本で予想外の感情を知ったり、とか、心の底から湧き上がる感動、とかそういうものに唐突に出会いたい。
これからも本を読むということを大切にしていきたい……

そこで、対策を考えました。
私は、性格上、読んで理由が分かれば納得できる。
それならば読むことで自分を律しようということで読んだのがこの本です。

「うんうん。そうだわ。確かに・・・!」の連発でしたが、なにぶんにも太い本なので集中力が続かず、読み終わるまでかなりの時間を要しました。やはり(笑)

しかし、読み終わってなんとなく納得したので、自制心をもってスマホとの付き合い方を考えていくことにしました。
スマホは大好き!そこは否定せず、しかし、距離感をうまく保つことがだいじ。
寝る前はスマホを見ない。出先の待ち時間では文庫本を読む。
などなど意識してスマホとの距離を保っていこうと思います!(ここに誓います!)

スマホと集中力の関係について、デジタル関連の研究等をもっと詳しく知りたい方、スマホとの関係で悩んでる!という方は是非ともこの本を読んでみてください。
(中央図書館・イミ)

PAGE TOP