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はじめての考古学(ちくまプリマー新書389)

はじめての考古学(ちくまプリマー新書389)

著者: 松木武彦

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学び直しにチャレンジ!!
私が考古学を勉強したいと思ったのは、高校3年生の進路選択の時でした。歴史について造詣の深い父の姿を見て、自分も歴史について勉強したいと思うようになっていたんだと思います。担任の教師からは「霞を食べていくんじゃな」と言われましたが、当時はそれがどういう意味なのかよくわかりませんでした。
大学で4年間、卒業して3年間、考古学の世界にいました。卒業後は発掘調査と記録保存に明け暮れる毎日で、自分の無知、浅学を思い知らされる日々でした。真庭に帰るのを機に考古学の世界から足を洗い、堅気の世界に戻りました。
それから30数年経ち、先日、大学の同窓会で久しぶりに会いました。それぞれ考古学の学びを続けていました。そんな仲間たちに刺激され、考古学の学びなおしにチャレンジしようと思い立ちました。そんな時に手にしたのがこの本でした。著者の松木武彦氏は北房地区の荒木山西塚発掘調査ワーキング・グループの座長を務めてくださった方で、真庭と縁のある考古学者です。この本は著者が大学で「日本考古学概説」のオンライン授業で配信した資料をまとめたものです。考古学の基礎、旧石器時代から古墳時代までを考古学でたどる歴史のストーリー、未来への考古学の展望などが図や写真も交えて初学者にもわかりやすく述べられていて、まさに教科書です。大学時代に欲しかったなぁと思いながらページをめくりました。
考古学は発掘調査で見つかった遺構や遺物などのモノから人間の本質や歩みを明らかにする学問です。本書に書かれている「モノ(物質資料・物的証拠)を研究の対象とし、文字による記録がなかったり、それが失われたり、信頼できなかったりする時代や分野の歴史を復元するときに、もっとも強みを発揮する」との著者の言葉は、私が考古学に魅力を感じ惹かれていった理由そのものでした。私の父は、文字のある時代の歴史を専門にしており、読書量も圧倒的に多い人でした。そんな父への反抗心(?)も多少はあったかもしれません。
私が大学で考古学を学んでいた頃は、遺跡は「現状保存」が基本でした。例えば、私が大学時代にサークルの先輩・後輩とソフトボールを楽しんだ平城宮跡も一面が草野原で、それが当たり前の光景だと思っていました。この本では、「知識のある人にしかその価値がわからないような保存」だったと指摘しています。まだまだ一般的ではありませんでした。近年、遺跡の保存方法が変わってきています。建物を復元したりして、昔はここにこんな建物があったんですとか、古墳の上にはこんなふうにハニワが並んでいたんですとか、遺跡を訪れた人が興味・関心を抱くような見せ方をするようになりました。著者は「将来への展望を考えると誰もが遺跡や文化財に触れて楽しめるような整備・保存は、文化財についてその良さを知っていただき、理解を深めてもらうために大事なこと、それが遺跡を守ることにもつながる」といいます。埋蔵文化財の「文化財」としての価値を知ってもらうことも考えながら、学びなおしにチャレンジしていきたい、そう思わせてくれる本でした。
前述の同窓会への出席の際に某私鉄電車に乗りましたが、車窓から見える平城宮は、今も草野原のままでした。「あの頃に戻りたいなぁ」と同窓会からの帰路、車窓から眺めながらひとり感傷に浸ってしまいました。

(中央図書館・たみさん)






’80sガーリーデザインコレクション

’80sガーリーデザインコレクション

著者: ゆかしなもん

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超ときめく最上級にかわいい本!
昨年を振り返ると、平成時代に流行した女の子のカルチャーが「平成女児」ブームなどと騒がれ、新語・流行語大賞にもノミネートされたとか、全国の子どもたちの間で「ボンボンドロップシール」略して「ボンドロ」なるものが人気を博し、「シール交換」が一大ブームとなったとか・・・
令和8年を迎え、そんな話題を横目で見ながら時代に置き去りにされかけていた昭和女児のわたしに刺さったのが、この「’80sガーリーデザインコレクション」です。
手に取った瞬間から込み上げてくる懐かしさ!1970年代生まれのわたしが小学生の頃に大流行したキャラクターグッズが並ぶ表紙に心が震えました。今更ながらこういうのを「エモい」って言うのでしょうか。
ページをめくれば、「バイキンクン」や「うちのタマ知りませんか?」、「ゴロピカドン」に「ザシキブタ」などなど、40年振りに出会う当時の人気キャラクターのオンパレードに大興奮!
かわいいキャラクターが散りばめられたファンシーグッズの数々を眺めていると、地元のファンシーショップ(的な事務用品店)に足繁く通っていた日々を想い出すとともに、当時の記憶がだんだんとよみがえってきました。そういえばあの頃も友達と交換するのが流行っとったな、と。イラスト入りのティッシュをなぜか1枚単位で交換したり、交換したキャラクター付きの絆創膏がもったいなくていざという時に使えなかったり。時代は変わっても、かわいいものを愛でる文化に変わりは無かったのですね。
最近忘れっぽくなってきたのが気になる、すっかり成長した昭和女児には、昔の記憶を呼び覚まして脳を活性化する「回想法」としても効果的な一冊となったのでした。
(中央図書館・よねピー) 

道はみんなのもの

道はみんなのもの

著者: クルーサ/文、モニカ・ドペルト/絵、岡野 富茂子・岡野恭介/共訳

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相談ができる場所
南米北部の国ベネズエラの首都カラカス。町をとりかこむ山の斜面に粗末な家が林立し、子どもたちの遊び場もなくなった。道で遊んでいると大人たちから怒鳴られる。そこで子どもたちは、ゴミ捨て場になっている土地に、子ども用の公園をつくってくれるよう、役所に願い出ることを思いつく。しかし、役所について来てほしいと大人に頼むが、誰も相手にしてくれない。みんなしょんぼり。その時、町の図書館員さんが、子どもたちの話を聞き、館内でみんなが相談する場所を提供してくれた。子どもたちは、どんな公園がほしいかをまとめ、横断幕をつくり市役所へ向かう。そこから物語は大きく展開。政治家の裏切りなどにもめげず、自分たちで動いていく。その姿を見た大人たちも動き出し……
実話に基づいて描かれ、13カ国で翻訳されている絵本です。

昨日(2026/1/3)、カラカスの街が燃え上がる映像が入ってきました。
炎の下には、生きている人々がいます。心配です。

暮らしのこと、まちのこと、戦争のこと、
図書館はみんなで相談ができる場所でありたいと思います。

今年もよろしくおねがいいたします。
(中央図書館・KANCHO)

学校のまわりの植物ずかん① 花の色でさがせる春の草花

学校のまわりの植物ずかん① 花の色でさがせる春の草花

著者: おくやま ひさし

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知らなかった見分け方
これからどんどん寒くなりますが、北房図書館に着任したばかりの暖かい春頃の出来事。
利用者さんから突然「セイヨウタンポポと日本のたんぽぽはどう見分けるんかな?花の色が白と黄色とで違うんかね?」と聞かれ、たしかに言われてみればどう違うのか知らんな(もしかしたら一度聞いたことがあるかもしれんけど忘れた)と思いながら、一緒に棚を眺めて見つけた図鑑で調べてみました。

セイヨウタンポポと日本のたんぽぽ(カントウタンポポ)の違いは、総ほう片の形で見分けられ、外側に反り返っているとセイヨウタンポポ。片が小さく、反り返ってなければカントウタンポポとのこと。ちなみに両方とも葉は似ているため、葉の形で見分けるのは難しいそう。

なるほどなぁ。
「そうなんじゃ。上から見ただけじゃわからんのんな。スッキリした!ありがとう!」と満足して帰っていった利用者さん。

たまには図鑑を眺めるのも面白いな。
私も知らないことを知ることができてスッキリしました。
手助けになれたのなら嬉しいです。

総ほう(総苞)とは、頭花を下から支えている部分のことで、総苞1つずつを総苞片といいます。
(北房図書館・みーやん)

えげつない!寄生生物

えげつない!寄生生物

著者: 成田 聡子

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あなたのすぐそばに…
寒さにすこぶる弱い生き物である私は、夏も終わりになるとじきに訪れる寒い季節の到来におびえながら生きている。「寒いから」という理由をつけて、気力がわかない、なにもする気が起きないと言い訳をして自分の怠惰を許している気もしなくもない。
このままではいかんのでは?そう思い、他の生き物の生命力を感じてみようと手に取ったのが、カタツムリの目玉が奇形になり捕食されやすくするもの、カマキリのお腹に潜むハリガネムシ…学校の授業で特に記憶に残っていた寄生生物についてのこの本である。擬人化されている文章のためか、寄生の様子がホラーみを帯びている。種を存続させるために、タイトル通りのまさに“えげつない”ほどの生存戦略をとる生き物たちに脱帽である。身近なところから人間にも寄生する寄生虫もいるとのこと、もしや行動を操る寄生虫に導かれ、この本を手に取り、紹介しているのでは…?少し不安になりつつも、うかうかとのんきに生きていてはいかんな、と背筋を伸ばさせてくれた1冊でした。
(落合図書館・ジジ)

眠れないほどおもしろい平家物語

眠れないほどおもしろい平家物語

著者: 板野 博行

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いつか訪れてみたい、思いを馳せる場所
子どもの頃「牛若丸」の絵本や、「耳なし芳一」など、源氏と平家の物語がなぜか好きだった。幼い牛若丸が母親を追いかけていく場面や、壇ノ浦の合戦で平家が敗れ、幼い安徳天皇が入水される場面は何度読んでも切なくなったものだ。
先日同級生に教えられたのだが、私が高学年になると「小泉八雲の怪談が面白いよ!読んでみて!」と、おススメ本を強要していたらしいのである。全く記憶にないのだが、すごい熱量で薦めていたであろう当時の自分を思うと恥ずかしくなった。
そのせいか大人になった今でも「源義経」「源平合戦」「平家物語」などの文字が目に入ると、やはり気になる。
そんな私が手に取ったこちらの本は、耳なし芳一が案内役として最初から登場し、現代の若者口調で解説も交えながら語ってくれる。最初はその口調に少し抵抗があったものの、読んでいくうちに気にならなくなり、どんどん吸い込まれていく。
下関にこの「平家物語」の中の壇ノ浦の合戦にて敗れた平家一門と安徳天皇の墓所がある。そこはまさに「耳なし芳一」の舞台・・・。合戦の翌日、幼い安徳天皇を哀れに思った地元の漁師たちが、海に沈んだ亡骸を皆で探したという。「海の安徳天皇をお祀りしている「赤間神宮」のすぐ側であるという。そこはまさに「耳なし芳一」の舞台・・・。


(落合図書館・わらじ) 

ずっと工事中!沢田マンション

ずっと工事中!沢田マンション

著者: 青山邦彦

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一目見てみたい♡
 メディアで拝見した時、その型破りな着想と建物の構造に心を奪われました。夫婦二人ですべて創り上げようとする気概がすごいですよね。そんな沢田マンションがなんと今回書籍に、それもイラストふんだんの絵本という形での登場にうれしい限り。だって建て始めの基礎の段階から完成した階の間取りもわかるよう断面図もつぶさに描かれているので実際には見られない所まで見えちゃうのです。
 さらに車でマンション各階を移動出来たり屋上でお米や野菜を育てたり池があったりする奇想天外な構造もバッチリ描かれています。これが実在する建物だというのですから驚きです。
 一度は高知に赴き、その実物を眺めたいものです。
(久世図書館・N)

ヨルダンの本屋に住んでみた

ヨルダンの本屋に住んでみた

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行ってみたい国
行ってみたい国はありますか。イタリア、フランス、アメリカなど、たくさん魅力的な国がありますが、ヨルダンはどうでしょう。
ヨルダンと聞いて思い浮かべるのは、石の宮殿、ペトラ遺跡です。映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』のロケ地として有名です。いつか行ってみたいと思いながら、もう20年以上経ってしまいました。海外旅行は時間や金銭面などのハードルが高く、なかなか実現は難しいですよね。

しかし、この本の作者はそんなハードルを、ぴょんっと飛び越えてしまいます。
フウ氏は、ヨルダンにあるおしゃれな本屋をインターネットで知り、一目惚れします。すぐに思いの丈をぶつけたメールを店長に打ち、OKと短い返事をもらいます。そして、渡航費用を稼ぐために弁当屋さんで30日間休みなしでバイトし、翌日疲れ切った体でヨルダンへ旅立ちます。到着すると、個性豊かな同僚たちと協力して、憧れの本屋で働きだします。店長に案内された地元民ならではの死海観光や、ルームメイトとヒッチハイクして旅したペトラ遺跡など、エピソードも豊かです。
作者の行動力に驚かされながら、あっという間に読み終わりました。くすっと笑えて、作者のほがらかな人柄が伝わってくる、明るい旅行記です。

いつか行ってみたい、そんな場所にすぐ連れて行ってくれるのが、本のいいところです。

(美甘図書館・かも)

ゴミ清掃員の日常 ゴミ分別セレクション

ゴミ清掃員の日常 ゴミ分別セレクション

著者: 滝沢 秀一

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ピザの箱は何ゴミ?
一人暮らしの家事の大きな柱のひとつ、「ゴミ捨て」
生活していればどうしてもゴミは出てしまうもの。
実家にいたころは、分別に迷ったら家族に聞けば済んでいたが、今はそうはいかない。分からないことは、自分で解決するしかないのだ。
分別が分かりやすいゴミなら良いが、問題は“曖昧なゴミ”。「これって何ゴミ…?」となった瞬間やる気が無くなり、つい部屋の隅に置きっぱなしにしてしまうのだ…。

そんな時、SNSで話題になっていたのがこちらの一冊。
本書は、ゴミ清掃芸人・滝沢秀一さんが自身の経験をもとに、夫婦で描いたエッセイ漫画『ゴミ清掃員の日常』『ゴミ清掃員の日常 ミライ編』から、ゴミの捨て方にまつわるエピソードを厳選し、書き下ろしも加えた総集編となっている。漫画形式なので読みやすく、合間のコラムにも為になる情報が満載で、読み応えばっちり。
「ペットボトルの分別」「ゴミになる食べ物」「リサイクルの仕組み」など、読んでみると知らないことだらけで、改めてゴミについて考えさせられる。
最初の“ピザの箱は何ゴミ?”という問いの答えが気になった方は、ぜひ最後まで読んで確かめていただきたい。
(湯原図書館・ノサミ)

マジカル博物館ツアー

マジカル博物館ツアー

著者: パトリック・ボー

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クセのありすぎるミュージアムたち
図書館でしか出逢えなさそうなこういう謎の図鑑。ついつい借りてしまいます。
サブタイトルに「不思議で珍しい、世界の個性派ミュージアム100」と書いてある通りの内容で、かなり個性的な博物館や美術館が紹介されています。

私が一番気になったのは、クロアチアにある「失恋博物館」。
詩的でセンチメンタルな響きに反して、展示されているのは「元パートナーが置いていった家具を壊すために使われた斧」とか「離婚が成立した日に元夫の車のフロントガラスに投げつけた置物」などなど、意外にアグレッシブなのがたいへん良いですね。
(もちろんロマンチックでセンチメンタルな収蔵品もたくさんあるみたいですよ)

皆さまも、どれかひとつは“刺さる”ミュージアムが載っているのではないでしょうか!?
( 蒜山図書館・888 )

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