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ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家

ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家

著者: エイミー・ノヴェスキー 文 イザベル・アルスノー 絵

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絵本からはじまる世界
「返却期限日までに読めなかったから、延長してもらっていい?なかなか読む時間がなくて……」
「わかります~!2週間あっという間ですよね(※)」なんて、カウンターでの利用者さんとのこんな会話は、図書館司書あるあるだ。図書館司書なんだから本をたくさん知っていなければならないのに、本を読めない言い訳はいくらでも出てくる…。

ある日、新しく図書館に入れる本の選定会議で世界的な彫刻家、ルイーズ・ブルジョワの本が話題になった。私はルイーズ・ブルジョワも有名な作品も知らなかった。そこで、市内図書館に彼女の関連本がないか調べると、彼女の生涯が描かれている絵本があった。
早速借りて読んでみると、彼女の生い立ちや、幼いころの家族への愛や悲しみから作品が生まれたことが簡潔に描かれていた。高学年向けの本で文字数が多いといっても絵本なので読むのは早い。
この意味でも、私は絵本や児童書が好きだ。
興味を持った私は、ルイーズ・ブルジョワ作 『ルイーズ・ブルジョワ展 地獄から帰ってきたところ言っとくけど、素晴らしかったわ』(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 美術出版社書籍編集部)を読み、彼女の作品を見た。
作品に衝撃を受けた。愛も悲しみも私が思っていたよりずーーーっと、とてもとても深かった……。
※次の予約の方がいなければ、二週間延長できます!

(中央図書館・あいすろいみ)

ローワンと魔法の地図

ローワンと魔法の地図

著者: エミリー・ロッダ

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キング・オブ・ファンタジー
川の流れが止まった。
「川はあの山から流れてくるのよ」
「あの山で何か具合の悪いことが起こったせいで、川の流れが止まったんだ」
リンの村人は探索隊を山に派遣することに決めました。
竜がいるという伝説がある山の頂へ……

本物のファンタジーの力に冒険心がくすぐられます。
主人公は弱々しい男の子。なぜこの子が村を救えるのか?
最後まで読むとハッとさせられるはず。

指輪物語、ナルニア国物語、ゲド戦記、ハリーポッター……数ある魅力的なファンタジーの中でも、学校司書時代をふくめ、私がこれまでの人生で一番たくさん子どもたちにおすすめしてきた物語です。
ほとんどの子が目を輝かせて「続きが読みたい!」と返してくれました(その言葉、待ってました!と心の中でガッツポーズ)。

大人の方でも十分楽しめます。

(中央図書館・イミ)

著者: ポール・オースター

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小説というものの醍醐味は。
この本ほど紹介しにくい本はなく、「とにかくお読みください」としか言いようがありません。
そんな本をなぜわざわざ紹介するのか。
それは、これをポール・オースターファンだけが読むのはもったいなさ過ぎるから。

内容は「1950〜70年代アメリカを舞台にしたユダヤ系の若者の成長物語」。え?こんな30文字以内でまとまるような話を、厚さ6センチ、800ページの鈍器みたいな本でわざわざ読まないって?ですよねぇ、ごもっとも。
しかしながら私は、160ページ過ぎくらいまで読んだところで、著者が何をしようとしているのかが分かってまず意表を突かれ、そこからはらせん階段をぐるりぐるりと登りつづけていくような感覚で4、3、2、1と読み進み、やっとたどり着いた先で目の前に開けた景色を見て、「ここまで来た甲斐があったなぁ」と心の底から思ったのです。本がこんなに分厚くなるのも仕方ないわ、とも。
もっと言いたい、でもこれ以上は言えない、言いたいけど。読み終えたら語り合いましょうね。

160ページ過ぎての発見について誰かとしゃべりたくて、私より少し前に読み始めた知人に「この本の読み方が分かった」とメッセージを送ったところ、「それってどういうこと?私は150ページくらいで止まってて…」と返事があり、おおっとあぶない^^; と思ったのでした。
そろそろ彼女も読み終わったかな。
(中央図書館 くろ)

アリ対猪木 アメリカから見た世界格闘史の特異点

アリ対猪木 アメリカから見た世界格闘史の特異点

著者: ジョシュ・グロス

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時代が追いついたのか。世紀の凡戦から総合格闘技の原点へ
真庭市民の多くは6月26日といえば露天風呂の日という認識をお持ちかなと思っていますが、
この日は「格闘技の日」だそうで1976年の同日にアントニオ猪木とモハメッドアリが戦った
「格闘技世界一決定戦」を記念して制定されたそうです。
1976年は土曜日も半ドン(死語?)でしたが学校があり、全世界に中継された「格闘技世界一決定戦」を見ようと
急いで帰宅したことをとてもよく覚えています。
緊張感のある試合でしたが、猪木の勝利を信じていた当時小学5年の私の期待には沿わない展開が続き
15ラウンド引き分けという残念な結果となりました。
翌日の報道では「世界が笑った」、「世紀の凡戦」と酷評されましたが、
UFC等の総合格闘技の大会が盛んになった現在では総合格闘技の原点と再評価されており、感慨深いものがあります。
本書はアメリカ人のジャーナリストが執筆したアメリカサイドの視点という点で興味深く読ませていただきました。
(中央図書館・SHITSUCHO)

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プロが教える紙パンツと紙おむつの交換法

著者: 境野みね子

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森羅万象
(昨日(下の記事)のつづき)

20代の頃、東京の障害者団体の職員をしていた。
その団体はのちにバリアフリー法や障害者差別禁止法などにつながっていく社会運動を主導していた団体でした。役員は全員障害者、私は団体の事務員であり介助者でもあった(ちょうど30年前で、震災のときには神戸に派遣され、障害者向けのボランティアセンターの立ち上げをしたり)。
働きはじめ数年で重い腰痛になって歩けなくなった。
いま思えば、単純に力任せだった。まだ、高齢者介護含めて、介護は一般的だったとはいいかだい時代で、それぞれ独学という状況だった。

先日、母の介護を少しだけした。大人介護は久しぶりで、どうすればよいのか、試行錯誤だった。ちょっと腰もいたくなった。
正月明け、図書館に戻ると、新刊コーナーにこの本があった。
プロの介護スキルが、全編写真で紹介されている。しかも動画付き(QRコード)。
なるほどこうやればよかったのか。次に活かそう。

「まえがき」より
「排泄介助も同じです。自立支援の考え方のもと、ご本人にできる動作はしていただき、力は最小限にして介助を行っていきます。そのような介助は、ご本人も介助する人もお互いに楽です。」

本人も、まわりの人も、楽になる。というのは、上記、障害者団体で一緒に働いていたときのみんなの願いそのもの。

それにしても、介護ひとつとっても、『シンクロと自由』のように、関係性に注目した本もあれば、この本のように技術にしぼったものなど、それぞれまったく違う視点がある。
「図書館には森羅万象があります」(*)とは、取り扱う話題が多様なだけではなく、取り扱い方も多様だという意味でもあったのか。ふむ。

(中央図書館:カンチョー)

*三年前の赴任時に、U司書が教えてくれたことば。

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シンクロと自由

著者: 村瀬孝生

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はじめての…
年末年始、普段は施設にいる母の外泊を、実家で受け入れた。
ところがインフルエンザに罹患。
高熱でトイレもままならず、はじめて排泄介助をした。
はじめて味わう感情だった。なんだこの気持ち……。

ちょうど村瀬孝生さんの『シンクロと自由』を持っていた。
開いてみると、なんてよいタイミングなんだという記述に出会った。
村瀬さんは、介護のプロで文筆家。認知症のお母さんの介護にも通う。

「介護するために母の体をさわったとき、言いようのない恥ずかしさと生理的な嫌悪が生じた。(中略)かつては、ぼくが手を引かれ、陰部を洗われていた。そして長いあいだ、母もぼくも互いの体にふれたことはない。立場が逆転したことに、ぼくの体が慣れていたいのだ。混乱し、緊張しているのだった。体を委ねる母も、委ねられるぼくも『怖さ』と『恥ずかしさ』を抱えている。」

そうそう〜
ゆらいだ感情に言葉をあててもらった気がして少し落ち着いた。

母は高熱でもうろうとしていたが、そのことで私も母も助かった気がする。

「介護は『仕方ない』ぐらいがちょうどいい」と村瀬さんは言う。

「排泄の失敗に遭遇したとき、介助者はどのような態度で登場すればよいのだろうか。
『喜んで』といった感じだと腹が立つ。『お気の毒』では救われない。『かわいそう』は居たたまれない。心を込められると、かえってつらく感じるのはぼくだけだろうか。(中略)『仕方ない』には、受容や共感とは異なる肯定がある。(中略)ふたりで、ひとつの行為をやり遂げるには「仕方なさの合意」から出発すると気楽だった。」

なるほど。


というわけで、心構えの方向性は見えた(たぶん)。
しかし、すぐ腰が痛くなってきた。
ううむ。シンクロするには、介護スキルが圧倒的に不足してる……(つづく)

(byカンチョー)

岩合光昭×ねこ旅

岩合光昭×ねこ旅

著者: 岩合 光昭

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一瞬をつなぐ
蒜山が白に包まれる季節
寒樹は氷の蕾をつけます

一瞬のきらめき

揺れるまなざし

もう少し 一瞬に残りたい

そんな願いを叶えるため
記録する技術は発展してきたのかもしれません


旅先で出会ったねこの写真を集めた本書
ページをめくるたび
あたたかな想いに頬がほころびます。

著者の岩合光昭さんは、旅のおわりに…の中で、
ねこへの感謝の気持ちを綴っています。

 過ぎ去っていく一瞬を
 少し先の自分と分かち合う

日々を丁寧に過ごす著者の姿勢に心が震えます。


輝く蕾 ほころぶころ

振る得る想い 実ちる胸はる

(蒜山図書館・道留)

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高野山

著者: Kankan

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信心深くない私は修行が足りない
私は全く信心深くないが、田舎の昔ながらの家に嫁いだため、神仏の祀り方は一通り叩き込まれている。
嫁いだと同時に姑は他界し、我が家の神事仏事は私が取り仕切るしかないと腹を括った。
しかし、実家は神仏を祀っておらず地域も違えば、分からない事だらけで途方にくれた。
そして信心深くない私は、「なんでこんな事せんといけんの?」とバチ当たりな事を何度も思った。神様ご先祖様すみません。
そんな気持ちで法事に望んでいる時、我が家の菩提寺の住職は決まって私を諭すようにお説教して下さる。
まるで私の気持ちを見透かしているようだ。(表情にダダ洩れなのだろう)
住職は非常に徳がありカリスマ性のある方だ。
若いながらも充分に修行を積まれ檀家からの信頼も厚いが、ここ何年かは高野山に何度も行って更に修行を積み、ますます読経の声も響きが良くなっている。
イキイキとした目で高野山での修行のようすなどを話される住職を拝見するうちに、私もなんだか高野山に行ってみたくなった。
高野山に行きさえすれば少しは信心も深まり、心清らかになるかも・・・と安易に煩悩丸出しで思うのである。
しかしこの本の表紙の大日如来にはこう言われるだろう。
「おまえはまだまだ修行が足りぬ」
(北房図書館・はにわ)

探テク

探テク

著者: 小林 シンヤ

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こんな経験ありませんか?
つい先日、お気に入りのピアスをつけようと思い、いつもの場所を探したが見つからない。今回は急を要する事態ではなかったが、「モノを失くして焦って探す」という経験は誰にでも起こりうることである。特に急いでいるときや大事なものが見つからない時の焦燥感は、思い出すだけでも嫌な汗が出る。そんな場面が度々ある人におすすめしたいのがこちら。

本書ではモノの探し方のテクニックを中心に、失くす原因や失くさないための整理術などもあわせて紹介されている。
探し方も写真やイラストで分かりやすく、そしてマニアックに紹介しているため、段々と「探すのって楽しいかも」という気にさえなってくる。「失くしたモノをゼッタイ見つける方法」というサブタイトルも、よく物がなくなる私にとってはなんとも心強い言葉である。
読んでおいて損はないとっておきの1冊。

ちなみに冒頭のピアスは、本書を読んで学んだテクニックで探索すると、その時使っていたカバンの中に入れていたポーチの中のポケットに入っていた。見つかって良かった〜〜!
(湯原図書館・ノサミ)

名医が教える!目のトラブル解決大全

名医が教える!目のトラブル解決大全

著者: 平松 類

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目は口ほどに年齢を物語る
ヨラコはあせっていた。なぜならばこのpickupの〆切がとっくに過ぎていたからだ。何を読もう……そしてふと思い出した。そうだ、私はノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんの作品、『菜食主義者』が気になっていたのだ。韓国の文学を読みたいと思ったのは『宮廷女官チャングムの誓い』以来だ(ミーハー)。そう思っていたら、タイミングよく返却があり、どれどれと思ったのも束の間、気がつけば一緒に借りた目のトラブルについての本ばかり読みふけっていた。(読みふけるほどなのか?)いや、それほど我が目が深刻なのである。人は誰しも老いには逆らえない。が、それにしても目の老化がこれほど早いとは…いかに目を酷使してきたのか今となっては我が目に謝罪したい。きっと長きにわたるコンタクト生活もよくないのだと思いたち眼鏡を新調した。しかし、あまりにもレンズの度がきついせいか、眼鏡をかけたら顔の幅の一部が狭くなるという奇怪な現象が起きたため、眼鏡姿は門外不出となった。
この本には、目の痒みや充血など日常的に起こりやすい症状や対処法、白内障や緑内障など放っておいたら深刻化する病気への注意点など分かりやすく書かれている。何より全ページ、目を細めることなく読める文字の大きさが嬉しい。よし、これからは目を労わる生活を心掛けようと固く心に誓った矢先、冒頭の目の年齢チェック項目で、もし目を凝らしても見えない文字がある場合は早めに眼科を受診しましょうという記述が…どうしても1つ見えない文字があることに戦々恐々とするヨラコであった。
次回は、「ヨラコ、菜食主義者」を読む お楽しみに。
(中央図書館・ヨラコ)

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